サッカーの尻尾BACK NUMBER
昨季のスタメンが10人残るバルサ。
唯一の悩みは、2人が争う正GKの座。
posted2015/08/08 10:40
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
AFLO
8月5日に行われたガンペール杯バルセロナ対ローマ戦でのことだ。
前半、メッシを起点にボールがつながり、最後はネイマールが決めた。バルサが誇るトリデンテによる今季初ゴールに、観衆は沸いた。
昨季、3人で決めた得点は122にも及ぶ。新シーズンも、この3人による得点を世界は何度も目にするのだろう。ネイマールとメッシは抱き合い、チームメイトが祝福に近寄ってくる。
そんな中、ピッチの反対側で密かに喜びをかみしめる選手がいた。
ゴールを大きく飛び出し、ハーフウェーライン近くにいたゴールキーパー、テア・シュテゲンだ。
この日のローマはほとんど決定機を作れなかった。もちろん、彼に好セーブの機会は訪れない。しかし、この日のテア・シュテゲンは、指揮官にとって現在最も悩ましい問題を再び提示した。
今季のバルサのゴールマウスを誰に任せるのか、である。
昨季の先発10人が今季もベースであることは間違いない。
プレシーズンでのバルサの親善試合5試合の起用方法と練習を見ていると、ルイス・エンリケの中で今季のチームのベースは固まっていることがわかる。3冠を達成した昨季の先発の維持だ。
最終ラインは右からアウベス、ピケ、マスチェラーノ、ジョルディ・アルバ。中盤はブスケッツ、ラキティッチ、イニエスタ。最前線のトリデンテは言うまでもない。
スーパー杯や12月に日本で行われるクラブW杯など、今季のバルサには過密日程が待っている。試合によってはマテューやベルメーレンが起用されたり、ラフィーニャの抜擢もあるだろう。しかし、この基盤はどう考えても揺るがない。
そんな中、唯一指揮官が頭を悩ませているのがGKのポジションだ。