スポーツはカタチから入る方なんですBACK NUMBER
すべての濡れをはね返し、アスリートを快適に保つハイテク・アンダーウェア。
posted2015/07/27 10:00
text by
奥山泰広&高成浩Yasuhiro Okuyama & Seikoh Coe(POW-DER)
photograph by
finetrack
自分がかいた汗や突然の雨で濡れたウェアは、不快なばかりではなく低体温症を誘発する危険もある。暑い夏だからこそ陥りがちなトラブルと、それを回避するための超ハイテク・アンダーウェアを紹介する!
奥山 いやぁ、ホントに暑いっスね~(バタバタと団扇を仰ぐ)。
高 っていうか、いくら猛暑の夏だからと言っても、クーラーが効いた部屋で足を水バケツに突っ込んで、さらにガリガリ君食ってるのは如何なもんかね!?
奥山 そんなコト言ったって、地球温暖化のせいか、東京の最高気温が平気で35度を越えちゃうのはヤバいでしょ! そういう時はクーラーがんがん効かして涼んでましょうよ。
高 そうだな。熱中症もヤバいし……って、そうじゃな~い! 「スポーツはカタチから入る方なんです」の担当者としては、この猛暑をクリアするためのアイテムを探し、インプレッションし、そしてみんなに報告しなきゃいかんだろ!?
奥山 ちっ(舌打ち)。そういう高さんこそ、こんな暑い中スポーツしてるんですか?
高 自転車乗りって夏場は“涼”を求めて、なるべく標高が高いトコロへ走りに行くんだ。つい先日も、山梨県山梨市と長野県南佐久郡川上村の境にある大弛峠を走ってきたんだよ。
奥山 へ~、あの辺って標高2000mを越えているんじゃないですか?
高 そう! だからかなり涼しいんだよ。いや、むしろ日陰での休憩中や帰りのダウンヒルでは、汗がひえて寒いくらいだったよ。
奥山 う~む、アウトドアレジャー&スポーツ・シーンでは、吸汗速乾は永遠のテーマですね……。
高 そうなんだよ。コットンしかなかった昔は汗がなかなか乾かなくてサ、高地のフィールドではその汗が冷えて大変だったんだよ。また、雨が降ろうもんならレインギアの中で蒸れ蒸れになっちゃうし、かといってレインギアを脱ぐとたちまち濡れたシャツが体温を奪っちゃうからサ……。夏山なのに“極寒”でまいっちゃうこともあったんだ。
ドライレイヤーで低体温症を回避する!
奥山 昔は低体温症はもっと深刻だったんですね。
高 そうだね。だから俺みたいなオヤジ・アウトドアマンにとっては、吸汗速乾に優れたハイテク素材が出現したときは、凄くありがたかったんだよ。でも、今度はその“速く乾く機能”が、ヘタれオヤジを困らせちゃってるんだな。つまり、乾くことによる気化熱が体温を奪っちゃうんだよ。
奥山 ふふん、そんなコトだろうと思って、実は新兵器を用意してあるんですよ。じゃじゃ~ん、この『ファイントラック』のドライレイヤーです!
高 おおっ、さすがファッション&ブツ・リーダー 奥山! さっきのダラけた態度は、ポーズだったんだね。じゃあ、早速このアンダーウェアの性能を説明してちょうだい。
奥山 アスリートがかいた汗はドライレイヤーをまたたく間に通過。ドライレイヤー自体が優れた撥水性を備えていて、汗・雨をきっちり弾いてくれるんです。
高 えっ? んじゃあ汗が冷えて寒くなっちゃうじゃん。
奥山 おっと、ドライレイヤーはほとんど保水しないため、その上に着た吸汗速乾ウェアが濡れるだけで、肌はドライなままなんですよ。だから、高さんが心配する汗冷えは大丈夫!
高 な~るほど。コイツがあったら先日の大弛峠も5月のロングライドも、もっと快適に走れただろうな。
奥山 5月は大変だったそうですね。なにやら妙高辺りから直江津までのダウンヒルで雨に降られ、死にそうになったとか???
高 そうそう。自分の汗と冷たい雨で濡れたウェアを着て、標高1200mくらいを時速40kmくらいで延々下るんだけどサ、寒さでブルブル震えてリタイヤ寸前だったんだ。