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武藤嘉紀がドイツでメッシになる?
『ビルト』紙の評価とチームでの役割。
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph byBongarts/Getty Images
posted2015/07/15 10:50
チームマネージャーのクリスティアン・ハイデルと握手する武藤。ハイデルは、ドルトムントで名を上げたユルゲン・クロップ監督などを見出した名伯楽でもある。
新加入FWの調子次第で1トップでの起用も?
武藤がすんなりレギュラーに収まった場合、ホットラインを築きそうなのはファビアン・フライだ。
この夏に移籍金360万ユーロで加入したスイス代表のセントラルMFで、シャルケに引き抜かれたヨハネス・ガイスの穴埋め役として期待されている。
その前任者同様に、長短自在のパスを武器とするこの司令塔との相互理解が深まれば、良い状態でボールを受ける機会が増えるのは間違いない。飛躍の可能性はおのずと高まるだろう。
一方で、シュミット監督は武藤を1トップで起用する構想を持っており、プレシーズンマッチで試してもいる。ただ、このオプションを本格的に導入するのは、新加入のフロリアン・ニーダーレヒナーが力不足を露呈した場合に限られるのではないか。昨シーズンの2部で15ゴールを叩き出したこの大型FWは、空中戦の強さや確度の高いポストプレーにも定評があり、武藤以上に1トップの適性があるからだ。そもそも本格派のストライカーをもう1人補強する噂も浮上している。
いずれにせよ、武藤に求められるのは結果だ。本人が常々口にしているとおり、早い段階でゴールやアシストを量産できるか。その意味で、8月15日のブンデスリーガ開幕戦で激突するインゴルシュタットは悪い相手ではない。高度な守備力を備えているとは言い難いこの昇格クラブとの一戦が、“マインツ史上3番目に高い男”の真価を問う試金石となりそうだ。