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度重なる怪我が復活の伏線に!?
阪神・福留孝介が二軍で考えたこと。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNanae Suzuki
posted2015/07/08 11:40
前半戦の折り返しを目前に、残り全試合先発出場を目指す38歳のベテラン。阪神のペナント争いのキープレイヤーになりつつある。
投手が誰でも「打席のなかでアジャストする」。
「ストレートに的を絞って、変化球はなんとか対応していくというスタイルですけどね。それはみんな同じだと思いますよ。対戦した回数が多かったり、ある程度知っているピッチャーなら対応も多少は変わるかもしれないけど、基本的にはどのピッチャーであっても打てる、打てないは関係なく、自分のタイミングでしっかりとバットを振りにいく。打席のなかでアジャストしていくほうがいいのかなって思うから。初めて対戦するピッチャーが多い交流戦だと、そういう意識は特に強かったかな」
自分が納得するフォームをしっかりと固め、打席では相手投手が誰であろうと先入観を持たず、しっかりとスイングをする。そこに故障という不遇が訪れさえしなければ、福留はやはり強打者の福留でいられるのだ。
混沌とした順位争いが続くセ・リーグの情勢を鑑みれば、阪神も今は首位とはいえ浮沈を繰り返していくのかもしれない。
だが、今の阪神打線には頼もしい男がいる。
たとえチームが不穏なムードになろうとも、福留のひと振りがそれを鮮やかに消し去り、猛虎に活力を漲らせるのだ。