フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
パトリック・チャン印のワインって!?
フィギュア選手、引退後の様々な人生。
posted2015/07/08 11:00
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
JMPA
先月カナダでパトリック・チャンが、自分のワインブランド、パトリック・チャン「オン・アイス」を発売する電話会見を行った。これはカナダのオンタリオ州にあるワイン業者、「フラットロック・セラーズ」とのコラボレーションで実現したもの。2013年にナイアガラ半島で収穫されたリースリングを使用して醸造されたアイスワインだという。
「この企画でフラットロック・セラーズとのコラボレーションができたのは、すばらしいこと。自分はスケーターとして自分の技術を世界中の人々に楽しんでもらってきた。ぼくのスケートのように、このワインの独創的で特別な味わいを楽しんで欲しい」と、チャンはコメントした。
スケーターとワインのコラボというのは初めての試みだが、“アイス”を共有しているという意味において、面白い目の付けどころと言えるかもしれない。
チャンは5月に、バンクーバーで本人の名前を冠したスケートリンクが総合スポーツ施設内に建設される企画が発表されたばかり。エージェントのロブ・マッケイによるとチャンは平昌オリンピックまでデトロイトを拠点にすることに変わりはないが、このリンクの完成後にはアドバイザーとして定期的にセミナーなどを行う予定なのだという。
2018年の平昌オリンピックを目指しながらも、すでに競技引退後のセカンドライフのオプションを堅実に積み上げてきているのは、しっかり者のチャンらしい。
フィギュアスケーター、それぞれのセカンドライフ。
どの競技スポーツでもそうだが、フィギュアスケーターにとってもセカンドライフの設計というのは容易いものではない。
大きなタイトルを手にした選手なら、荒川静香のようにテレビの解説とアイスショー出演を両立させるのが一般的だが、もちろんごく一握りの選ばれた選手のみに開かれた門である。
リンクの数もスケート人口も豊富な北米の場合、選手の大多数は引退後はコーチになる道を選ぶ。選手によっては、現役中からリンクで自分のトレーニング時間外にバイト代わりに子供の指導などをはじめ、競技から引退したらフルタイムでコーチとなる。