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『グラップラー刃牙』と山本“KID”。
見逃せない世紀の異種格闘技対談! 

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Number編集部

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photograph byTadashi Shirasawa

posted2015/07/06 17:30

『グラップラー刃牙』と山本“KID”。見逃せない世紀の異種格闘技対談!<Number Web> photograph by Tadashi Shirasawa

板垣恵介氏はKIDと会って「初めて人を見下ろしながら恐怖心を感じた」という。

KIDも憧れた「真似をしてはいけない」訓練。

「全盛期の俺って、目つぶっててもパンチ当たるくらいの感じだったから。今はあんな強さはないと思うんだけど、代わりに巧さが出てきたな、って思ってる。自分が何をやってるかわかってきたというか。そうそう、色んなトレーニングにトライしているなかで、俺もマジ、崖から飛び降りて転がり落ちながら、訓練しようかなって思ったこともありました。『刃牙』の初期にありましたよね。あれ、やっぱり身体がショックを覚えるし、逃げ方とかもわかると思うんです」

『グラップラー刃牙』の単行本完全版なら第7巻に所収されているその「絶対に真似をしてはいけない」シーンは、『刃牙』好きを自任するアスリートの口の端に必ずと言っていいほど上る名場面だ。「死」に直面することで極限の集中力が得られ、生き残ることができるというまさにマンガの世界。一見荒唐無稽のフィクションだが、驚くべきことに「あの訓練は実在する」と板垣氏は証言する。

「あれは空手家の故・中村日出夫さんがかつてやっていた訓練らしい。崖がそこに切り立ってることはわかっているんだけど、飛び降りるまでは下は見せない。それで、助走をつけてバーンって飛び降りたときに、『あ、こうなってたんだ』って対応するらしい。どの程度の危なさだったかはわからないけど、死人も出たという話は聞いたことがあるね」

「それで生き残った人は絶対に強くなりますよね」と目を輝かせるKID。“最強の格闘マンガ”『グラップラー刃牙』から得たインスピレーションは、38歳となった今も現役として格闘技界の最前線に立つ彼をなお奮い立たせ続けている。

 平成の格闘技ブームを牽引した漫画家と格闘家。互いに影響しあってきた2人の対談の全貌はNumberPLUS「スポーツマンガ最強論」でお読みください。
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山本"KID"徳郁
板垣恵介
グラップラー刃牙

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