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オシムがFIFAゲート問題を語る。
「ブラッターを正当に評価すべきだ」
text by
イビチャ・オシムIvica Osim
photograph bySports Graphic Number
posted2015/07/01 16:30
「イビチャ・オシムの『オシム問答』」、配信は隔週金曜日の予定です。
プラティニは後継者として改善できるか?
――ミシェル・プラティニがブラッターの後継者となって状況を改善できると思いますか?
オシム:新聞を読む限りでは、彼が問題の所在を良くわかっているのは間違いないが、UEFAからFIFAに転身するのは難しいだろう。私生活や友人など、すべてを犠牲にしなければそれはできないからだ。嫉妬を感じる者もたくさんいるし、彼に代わってその座につこうと狙っている者も多い。
もちろんかつての偉大な選手が会長になるのはとてもいいことだ。ベッケンバウアーなどもそうだ。とりわけミシェルは悪くない。今の彼は(サッカー政治の世界で)知り合いも多いし、様々なコンタクトもある。彼もまた優れた本物のビジネスマンになった。現役時代から友人は多かったが、今ではその数はさらに増えている。ヨーロッパにとってはとてもいいことだ。ヨーロッパでは常に彼のことばかりを話題にしている。他の候補者をこれから見いだすのは難しい。
彼の背後には大きな協会がついている。フランスが彼を支えている。ベッケンバウアーの後ろにドイツがいて、(ボビー・)チャールトンの後ろにイングランドがいるのと同じだ。ミシェルの後ろにはフランスがいる。それはミシェルであるからで、彼が(選手として)ヨーロッパを制覇したからに他ならない。彼はひとつのサッカー大国を象徴する存在で、それこそが彼自身のアドバンテージだ。もちろん他の国々にも、彼と同じ立場の存在はたくさんいるが。イタリアにもそういう選手はたくさんいる。だがいずれにせよ国が後ろに控えていればすべてはとてもやり易くなる。