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「一強」ドゥラメンテの最大の死角とは。
超良血馬集結の日本ダービーを読む。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2015/05/30 08:00

「一強」ドゥラメンテの最大の死角とは。超良血馬集結の日本ダービーを読む。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

皐月賞を圧倒的な末脚で制したドゥラメンテ。5戦3勝2着2回と連をまだ外していないが、敗れた2戦はいずれもダービーの舞台である東京競馬場だ。

松田師がラスト・ダービーに挑む「華麗なる血脈」。

 良血という点では、JRA・GIを19勝した伯楽にとって最後のダービー出走馬となるレーヴミストラル(牡、父キングカメハメハ、栗東・松田博資厩舎)も負けていない。3連勝でトライアルの青葉賞を勝ったこの馬は、'09年の青葉賞を勝ったアプレザンレーヴ、無敗で'10年の阪神ジュベナイルフィリーズを勝って2歳女王となったレーヴディソールなどの半弟である。

 松田調教師は、自身のラスト・ダービーだからといって特別な思いはないと話しているが、周囲は当然、力をこめてくるだろう。それに応えても不思議ではない爆発力がレーヴの血にはあり、横手さんも「まだ強くなり切れていないのにキッチリ出走権を獲るあたりは、血統ですかね」と話している。

福永祐一、16度目のダービーで悲願なるか。

 人気面でドゥラメンテに迫るのは、これが16度目のダービー参戦となる福永祐一のリアルスティール(牡、父ディープインパクト、栗東・矢作芳人厩舎)か。福永は、'07年、'13年と2度2着になっているが、いまだダービー未勝利だ。が、矢作調教師は'12年にディープブリランテで制しており、勝つための方法論を持っている。父ディープインパクト、母の父ストームキャットというのはキズナと同じ配合だ。

 皐月賞で1番人気に支持されながら、外々を回り、さらに4コーナーで不利を受けて6着に終わったサトノクラウン(牡、父マルジュ、美浦・堀宣行厩舎)も、巻き返すだけの力を持っている。

 同馬主のサトノラーゼン(牡、父ディープインパクト、栗東・池江泰寿厩舎)は、京都新聞杯でポルトドートウィユ以下を完封し、本番で絶好の1番枠を引き当てるなど追い風に乗っている。

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