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長友佑都、インテルとの蜜月の終焉?
契約延長は見えず、補強の影響は。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/05/28 10:30

長友佑都、インテルとの蜜月の終焉?契約延長は見えず、補強の影響は。<Number Web> photograph by AFLO

インテルでの長友佑都の契約はあと1年残っているが、シャルケ(独)やトッテナム(英)もこの日本人サイドバックに興味をしめしている。

ラノッキアを筆頭に、守備陣は大補強が確実視。

 最優先目標である攻撃的MFヤヤ・トゥーレ(マンC)の獲得はもちろん、守備のテコ入れが行われることも確実だ。まるで間抜けな田舎チームのように、後半終了間際になって失点を繰り返すDFたちを、マンチーニはシーズン中に何度も「青二才」「純朴すぎる」と叱咤してきたのだ。

 中でも、ジェノア戦でも2失点に絡んだCBラノッキアの稚拙さは誰の目にも余る。キャプテンマークを預けてまだ1年のイタリア人DFを放出するわけにもいかない指揮官だが、異例にもTVカメラの前で「相当上手くなってもらわないと困る」と注文をつけた。

 守備陣では他にも、長友や、DFダンブロージオについては「対面だったFWヤーゴとFWレスティエンヌの後塵を拝するばかり」、「ハイレベルのサイドバック獲得は急務」(『ガゼッタ・デッロ・スポルト』)とされている。

 5年前の夏に長友がFC東京からチェゼーナに移籍したとき、その小柄なサイズを見た誰もが「セリエAで通用するのか」と疑う声を上げた。しかし、日本の快男児はスピードとタフネスでSBの既成概念を覆し、インテルへ移籍してからも異なるポジションに運動量で順応してきた。

歴代監督の下で常にレギュラーだった長友だが……。

 '11年2月に名門インテルへ入団して以来、長友が仕えた指揮官の数は6人に上る。そして昨秋に解任されたマッツァーリに至る歴代監督の下で、長友はつねにレギュラーポジションを掴み取ってきた。

 ただし、現指揮官マンチーニは前任者5人とちがい、イタリアとイングランド両国のリーグタイトルを制したトップレベルの経験を持つ。ソフトなメディア対応とは裏腹に、ドライかつシビアに選手を査定する。

 今年の夏にマンチーニが望むのは、CLファイナルに進出し、2位ローマに勝ち点16もの大差をつける4連覇王者ユベントスと伍するチームだ。頑強かつ狡猾で、テクニックとサイズを持つDFが求められている。

【次ページ】 他クラブ、他リーグでの長友を見る時なのか。

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