スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
レアル、CL敗退決定で監督解任も?
“元凶”ペレスの元で迷走は続く。
posted2015/05/20 10:50
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph by
REUTERS/AFLO
「世紀の失態」
「残念! ベルリンでのクラシコは実現せず」
「マンマミーア!」
勝利が必須のCL準決勝セカンドレグ、ユベントス戦を1-1で終え、レアル・マドリーはUEFAチャンピオンズリーグの決勝進出を逃した。その翌日、スペインのスポーツ各紙の一面にはセンセーショナルな大見出しが並んだ。
レアル・マドリーにとってのCL敗退は、実質的に今季の主要タイトル(リーガ・エスパニョーラ、CL、コパデルレイ)無冠を意味した。それは多くのマドリディスタにとって、昨年末の時点では想像し難い結末だったはずだ。
何せ今季前半のレアル・マドリーは強かった。
レアル・ソシエダとアトレティコ・マドリーに連敗した開幕直後のつまずきこそあれ、その後リーガではバルセロナとの首位決戦を含めて12連勝と首位を快走。CLのグループリーグでは6戦全勝で首位通過を決め、年末にはFIFAクラブワールドカップも制した。その間には公式戦22連勝というクラブ新記録も樹立している。
1月以降、一転して不調に陥ったレアル。
そんな順風満帆の歩みに異変が生じたのは、バレンシアとの年明け初戦に敗れて連勝記録が途絶えてからだ。
直後のコパデルレイでアトレティコに1分1敗と惨敗すると、2月7日のリーガ第22節ではまたもアトレティコに、それも今度は4-0で大敗。その後もビジャレアルと引き分け、アスレティック・ビルバオに敗れて首位の座を失い、シャルケとのCLの決勝トーナメント1回戦ではホームで4失点を喫して敗退寸前まで追いつめられるなど、1月以降は不調を極めた。
それでもリーガでは残り3試合まで首位バルセロナに勝ち点2差で食らいつき、CLでは今季8度目の対戦にしてようやくアトレティコを破って準決勝まで勝ち上がった。だが結局、チームも選手も最後まで本調子を取り戻すことはなかった。
なぜ今季のレアル・マドリーは前半戦と後半戦でかくも対照的な軌跡を描くことになったのか。