石井一久が語った、青木の「ビッグウェーブ」。

　昨季の調子の悪い時は、外角に逃げていくツーシームに対して、バットを当てるだけということも多かった。しかし、同じようなボールに対しても、今年の場合は踏み込んで打つか、もしくは手元まで引きつけてから余裕を持ってカットしている。懐が深い。

　ヤクルト時代、チームメイトだった石井一久氏は青木について、こう話していた。

「青木は調子がいい時に、『ビッグウェーブ』を作れるバッターなんですよ」

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　ヒットを量産して、一気に打率を上げていくタイプなのである。

「すべてのカテゴリーでキャリアハイを狙う」

　開幕してからまだ10試合、まだサンプル数は少なく、シーズンを通しての予想は難しいが、「今季はすべてのカテゴリーでキャリアハイを狙いたいです」と青木が入団会見で話していた目標が、現実味を帯びてきたように思う。

「対戦カードが変わると、驚くほど守備シフトが変わる場合がある」

　そう青木も話すように、今後は対戦相手も青木の分析に力を入れてくるのは間違いなく、対策、研究勝負の面が出てくる。青木の得意とする分野だけに、ぜひとも好調を維持して欲しい。

　ただ、心配なのはジャイアンツ打線が湿っていること。青木以外では、3番を打つエンジェル・パガーンがいい仕事をしているだけだ。

　パブロ・サンドバルの抜けた穴、そしてオープン戦で手を骨折したライトのハンター・ペンスの故障が大きく響いている。

　戦力が整うまで我慢が続きそうだが、青木の存在感は日増しに大きくなっている。