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アンデルソンとラツィオの連勝街道。
ネイマールの親友、あだ名は“FA7”。 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/04/15 10:50

アンデルソンとラツィオの連勝街道。ネイマールの親友、あだ名は“FA7”。<Number Web> photograph by AFLO

ラツィオはサントスからアンデルソンを獲得する半年前に、アンデルソンと契約直前までこぎつけて破談になった経緯がある。それでも諦めなかったフロントの目は確かだった。

ドゥンガが寄せたエールに込められた大きな期待。

 今やリーグトップクラスのラツィオ攻撃陣を非凡なスピードと展開力で牽引する“FA7”だが、ブラジル代表として6月のコパ・アメリカへ招集される可能性は低い。

 U21代表の中心選手であるアンデルソンには、来年の夏に開催されるリオ五輪で金メダル獲得、という王国の悲願が託されているからだ。ただし、闘将ドゥンガはブラジルとイタリアの英雄2人を引き合いに出し、若いクラッキに地球の裏側から檄を飛ばす。

「アンデルソンに才能があるのは間違いない。だが私がセレソンに求めているのは、かつてのロマーリオやバッジョのように、真に重圧のかかるゲームで結果を出せる選手だ。今すぐにとは言わないが、フェリペよ、おまえも彼らのレベルにあることを証明してみろ」

 エンポリ戦の勝利で、来季のCL出場にいよいよ現実味が帯びてきた。ロッカールームにはこれまでと一味ちがう緊張感が漂い始め、クラブ史上稀に見る連勝劇にラツィアーレたちは日に日に膨れ上がる激情を抑えきれない。

深夜3時に練習場で待ち受けた2000人のサポーター。

 4月9日、午前3時。

 敵地でコッパ・イタリア決勝進出を決めたナポリ遠征から、深夜に解散場所であるフォルメッロ練習場に帰ってきたアンデルソンたちは、信じられない光景を見た。

 チームバスの窓の向こうにある漆黒の闇の中で、赤い発煙筒が大量に焚かれ、大小のクラブフラッグが打ち振られていた。

 そこにはクラブソング「Vola Lazio Vola」を大声で熱唱する2000人がいた。

 平日深夜にも関わらず「フォルメッロへ!」とSNS上で呼びかけ合い馳せ参じた彼らを気を利かせたクラブが練習場内へ呼び入れた後も、大量の煙と爆発音に混じって、熱唱は続いた。

 疲労困憊だったはずの選手たちも、チームスタッフも、その熱意に胸を打たれた。指揮官ピオリの長い指導者人生にあっても、深夜3時に指名の応援コールを受けたことはない。彼らは一列に並び、肩を組み、サポーターたちとともに“飛べラツィオ より高く”と声を上げた。

【次ページ】 歴代連勝記録まであと一つ。相手はユベントス。

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