セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
アンデルソンとラツィオの連勝街道。
ネイマールの親友、あだ名は“FA7”。
posted2015/04/15 10:50
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
伏兵ラツィオが、2位に急浮上してきた。
12日のエンポリ戦で4-0の大勝を収め、怒涛の8連勝。今季のリーグ連勝記録を更新しながら、一気に来季のCL直接出場圏に到達した。
8節を残すばかりとなった今季セリエAで、ここまで常に上位にいた憎っくきローマを蹴落としての2位奪取に加え、4日前にはコッパ・イタリア準決勝でナポリを下して、2年ぶりのファイナル進出を決めたばかりだ。歓喜に狂わんばかりのラツィアーレ(=ラツィオ・ファン)たちが昇天しかけたとしても無理はない。
ラツィオの8連勝と躍進には、もちろん立役者がいる。
2年目にして才能が満開中のMFフェリペ・アンデルソンだ。
エンポリ戦で今季リーグ10点目を決めたチームの得点王アンデルソンは、そのドリブルと決定力によって、若き日のC・ロナウド(R・マドリー)を想起させる。オリンピコ・スタジアムを沸かす新たなアイドルは、同じ背番号7を持つ本家の愛称“CR7”にちなんで、ラツィアーレから“FA7”と呼ばれている。
ロナウドを髣髴とさせるドリブルスタイル。
サイドでひとたびボールを持てば、遠目に蹴り出して、まずは最初のマーカーを振り切る。緩急自在のドリブルで敵陣を一気に攻略した後、ペナルティエリアで再加速し、有利なシュートコースを左右両足で射抜く。
イタリアに来て最初のドッピエッタ(1試合2得点)を決めた16節インテル戦(2-2)は圧巻だった。左サイドをドリブルで独走し、インテルのDFたちを手玉に取ると、前半だけで2ゴールを叩き込んだ。
アンデルソンは、2月中旬のウディネーゼ戦から始まった連勝中に5ゴールを挙げており、ナポリとのコッパ・イタリア準決勝2ndレグでも、MFルリッチの決勝ゴールをアシストした。“FA7”を警戒するあまり、他の選手へのマークが疎かになる相手チームに、FWクローゼやMFマウリ、MFカンドレーバが次々に襲い掛かる。エンポリ戦での4ゴールを加えたチームの総得点数は58に達し、ラツィオはユベントスに代わってチーム別得点ランクのトップに躍り出た。