フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生をテンとフェルナンデスが追う!
上海世界選手権での激闘を予想する。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byREUTERS/AFLO
posted2015/03/23 11:00
昨年の世界選手権表彰台。羽生(20歳)とフェルナンデス(23歳)は共にブライアン・オーサーに師事する兄弟弟子でもある。
タイトルを狙うテンとフェルナンデス。
羽生の体調がよくわからない現状、彼以外で優勝候補の筆頭はカザフスタンのデニス・テンと、スペインのハビエル・フェルナンデスだろう。
テンはシーズン前半は不調でGPファイナル進出も逃したが、2月の四大陸選手権ではSP、フリーとも素晴らしい演技でISU史上3番目に高いスコアを出した。
「デニスは好不調はあるけれど、ノーミスで滑ったら間違いなく高いスコアは出る。彼はそういう意味で怖い選手です」
3度目の欧州選手権タイトルを手にしたハビエル・フェルナンデスは、ライバルについて聞かれるとそう答えた。テンが四大陸で出した289.46は、フェルナンデスが欧州選手権で出した262.49よりも25ポイント以上の開きがある。
もっとも二種類の4回転を持っているフェルナンデスが、フリーで4回転を3度きれいに成功させたら、もっとスコアは伸びるだろう。いずれも、メダリスト候補であることは間違いない。
日本代表選手の無良と小塚は?
無良崇人にとっては2年ぶり3度目、小塚崇彦にとっては7回目の世界選手権となる。
今シーズン、表現力もめきめきと伸びた無良は、前回の8位からどこまで順位を上げられるか、楽しみだ。今シーズンはGPファイナル進出も経験し、世界のトップスケーターの一人として自信もついたことだろう。
小塚は、全日本選手権で見せたようなフリーを再現できれば、メダルを手にすることも不可能ではない。
2011年銀メダリストであった彼が、表彰台に返り咲いたら感動的なカムバックとなる。パトリック・チャンが休んでいる今シーズン、スケーティングの質では彼の右に出るものはいないといっても過言ではない。長所をぞんぶんに生かして、堂々とした演技を期待したい。