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211日ぶり復帰の山口蛍が語る、
C大阪が失った自信を取り戻す兆し。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJun Tsukida/AFLO
posted2015/03/09 12:20
山口にとって、90分間フルに戦えたことは大きな自信になったはず。「10人でも攻撃の姿勢は見せられた」「サポーターが大勢来てくれて、それが力になりました」とコメントした。
「代表を目指す気持ちはありますけど……」
今はまだ、通常の練習以外のトレーニングを行なうと膝が腫れたり、水が溜ってしまうという。手術した膝が完全に馴染むまでは、丁寧にケアをしながら付き合っていくしかない。時間がかかるが、それでも試合後、心なしか表情が明るかったのは膝の状態やチームに何かしらの手応えを感じていたからだろう。
また、この日は、日本サッカー協会の霜田正浩技術委員長が視察に訪れていた。バヒド・ハリルホジッチが新監督に内定し、日本代表は、ふたたび横一線でのスタートになる。
「代表を目指す気持ちはありますけど、J2は見てもらえる機会が少ないと思う。ヤット(遠藤保仁)さんや今野(泰幸)さんの場合はザックさんの主力でずっと呼ばれ続けていたんで、J2でも呼ばれた。それは例外的な部分があったんで、それ以外で監督が代わってJ2で呼ばれるのはかなり厳しい道のりやと思います。それよりも今はチームのことを考えて、上(J1)にいけるように頑張る。それをやって、誰かが見てて呼んでくれればありがたいことやと思います」
代表について慎重なのは、当然なのかもしれない。まだ、開幕戦に出ただけ。これから膝を回復させ、チームの完成度を高めていきながらJ2を勝ち抜いていかねばならない。
困難なミッションばかりの中、まだ山口はその第一歩を踏み出したに過ぎないのだ。