今日も世界は走っているBACK NUMBER
金哲彦、51歳のサブスリー挑戦宣言!
達成への3つの条件と、2つのテーマ。
posted2015/02/14 10:50
text by
金哲彦Tetsuhiko Kin
photograph by
Tetsuhiko Kin
少し前にフルマラソン“サブスリー宣言”をした。
しかも、テレビやFacebookなどのメディアを通じて、だ。
“宣言してしまった”というより、これは一種の作戦。レース直前ではなく、早い段階で公にすることで、周囲を巻き込みながらトレーニングへのモチベーションを増す策である。
あえて、「サブスリーしたい」ではなく「サブスリーする」と断言した。遠慮するより、このくらい思い切ったほうが楽しいと思う。「不言実行」より、冷やかされながら「有言実行」するほうが性に合う。
もちろん、簡単にできるとは思っていない。
今更ではあるが、サブスリーとは42.195kmのフルマラソンを3時間未満で走ることである。平均ペースは4分15秒以内。かなり早い。
昨年、男子マラソンの世界記録は2時間02分57秒まで更新された。
しかし、まだ2時間台の範囲内。少々無理はあるが、サブスリーと同じカテゴリーなのだ。
サブスリーは、フルマラソン完走男性の2.9%。
サブスリーはどれくらい難しいか?
アールビーズ社が行った2013年の調査データでは、約22万人の男性フルマラソン完走者のうちわずか2.9%という数字がある。偏差値だと69以上に相当する。
頑張ればいけそうだけど、相当の努力が必要なことは想像できる。
元はマラソン選手なので、ベストタイムはもちろんサブスリー。現役時代は2時間20分を切るのは当たり前で、さらに上の2時間10分の壁に挑んでいた。
でも、それは28歳までのこと。
女子チームのコーチを経て32歳から37歳までの5年間、実業団の監督時代はまったくと言っていいほど走っていない。
そして、当時のストレスはもっぱらお酒で紛らわしていた。体重は70kgの大台を超え、見苦しい“オヤジ”だったと思う。
やがて、コーチ業は競技ランナーから市民ランナーへとシフトしていった。市民ランナーとして再び走り始めたのは37歳になった2001年。
忘れもしない、久しぶりに走ったのはわずか5km、皇居1周でさえ苦しくなって途中で歩いたときは笑えた。