ブックソムリエ ~新刊ワンショット時評~BACK NUMBER
鉄面皮の中身は生真面目な暴君でした。
~ファン・ハールを描く1冊を読む~
text by

幅允孝Yoshitaka Haba
photograph byWataru Sato
posted2015/02/15 10:30
『ルイ・ファン・ハール 鋼鉄のチューリップ』マーテン・メイヤー著 田邊雅之監訳 カンゼン 2100円+税
彼はエキセントリックだと思われがちだが、実際はとても謙虚な男だ。などという言葉を期待してはいけない。この本を読めばわかる。彼の脳内は、あなたの想像以上に頑固で面白い。
幼少期からマンチェスター・ユナイテッドの監督になるまで、ファン・ハールの歩みを描いたこの伝記。彼のサッカー哲学が形づくられる道のりや、現役時代のエピソードは実に印象深いものだ。
不遇だった20代前半は選手として芽が出ず、体育教師との二足のわらじを履く苦労人。鈍足だった彼は、前線でボールキープすることのみを求められるのだが、彼は監督にこういうのだ。「僕はボールを持てば、どんなプレーでもできます」。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。
残り: 351文字
NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。
