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今季初テストではダントツの最下位。
マクラーレン・ホンダに勝算は?
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2015/02/14 10:30
銀色の車体を駆るフェルナンド・アロンソ。最強を誇った往時のマクラーレン・ホンダを想起させる白×赤のカラーリングとは決別した模様だ。
フェラーリ、レッドブルを筆頭に様々な策が飛び交う。
フェラーリとレッドブルのニューマシン後部を観察すると、ともにパワーユニットが大きく変更された形跡が確認できる。フェラーリはそれによってコクピットの位置が前方へ若干移動。レッドブルは排気管の位置が下げられた。
果たしてフェラーリは、最終日にキミ・ライコネンが1分20秒841のトップタイムを記録。レッドブルはいくつかのトラブルに見舞われて満足な周回ができなかったため、そのポテンシャルを推し量ることはまだできないが、それは裏を返せば昨年とは違うチャレンジをしてきた証左である。
フェラーリとレッドブル以外のチームも、マシンにさまざまな改良を加えている。特に目立ったのは、パワーユニットをルノーからメルセデスに変更したロータスのパフォーマンスアップだ。
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また、最速だったフェラーリのパワーユニットを使用しているザウバーが、3日目だけとはいえ、トップタイムをマークしたことも特筆すべき出来事だった。
これら下位2チームの浮上によって、今シーズンはトップから下位までの差も大きく縮まるのではないかと予想される。
マクラーレン・ホンダのテスト成績は最下位だが……。
そして、まだ見えなかったこと。それはマクラーレン・ホンダのポテンシャルだ。
いまから1年前、スペイン・ヘレスで行なわれた合同テストの3日目にトップタイムをマークしたのは、メルセデスのパワーユニットを搭載したマクラーレンのケビン・マグヌッセン。タイムは1分23秒276だった。
マクラーレンは2日目にもジェンソン・バトンがトップタイムを刻むなど、上々の滑り出しを見せていた。
それから、約1年――同じ地で開催された合同テストの初日にマクラーレン・ホンダを走らせたフェルナンド・アロンソのタイムは1分40秒738。同じ日にトップタイムを記録したセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)から18秒遅れ。もちろん、最下位である。
タイムで最下位となっただけではなく信頼性においても課題を残した。メルセデスAMGが4日間で516周を走破したのに対して、マクラーレン・ホンダは79周。100周に満たなかったのは唯一マクラーレン・ホンダだけで、他チームに大きく水を開けられる結果となった。もちろんマクラーレンもホンダも、この結果に満足はしていない。