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今季初テストではダントツの最下位。
マクラーレン・ホンダに勝算は?
posted2015/02/14 10:30
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
Getty Images
F1の2015年シーズンを占う最初の合同テスト(2/1~2/4)が終了した。
ニューマシンが集ったスペイン・へレスでの4日間で、見えてきたこともあれば、まだ見えなかったこともある。
まず見えてきたこと。
それは、メルセデスAMGの優位性が維持されているという事実だ。
昨シーズンのF1を席巻したメルセデスAMGは、なんと初日に157周を走破した。2日目はマイナートラブルが発生して91周にとどまったが、3日目と4日目も100周以上を周回し、4日間でのトータル516周は2番手のザウバーの382周を大きく上回った。堂々の信頼性である。
しかも、単に信頼面でライバル勢に対してアドバンテージを築いただけではない。
メルセデスAMGは516周の周回によって、空力パーツやセットアップ、さらに今年から投入される新しいタイヤのデータを取ることに成功。4日間で一度もトップタイムを出すことはなかったが、ロングランでの安定性は他の追随を許さず、現時点でもっとも完成されたパッケージを有していると言って間違いない。
完成度の高いメルセデスを、他チームはどう追うか。
同時に見てとれたのは、メルセデスAMGのマシンが昨年から今年にかけて大きくは変化していないことだ。
もちろんメルセデスAMGが何もしなかったわけではない。マシンが完成の域に近いからこその変化の少なさとも言える。昨年、メルセデスAMGのマシンW05が残した成績は、19戦中16勝。それだけ高いポテンシャルを持ったマシンを劇的に進化させるのは簡単なことではない。
逆に、昨年メルセデスAMGの独走を許したライバルチームには、大きく改良する余地が残されている。