フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
トゥクタミシェワが欧州フィギュア制覇。
女子とペアでロシア勢が表彰台独占!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAP/AFLO
posted2015/02/03 12:00
欧州初制覇となったトゥクタミシェワは「私たちロシア人の3人が一緒に表彰台に上がれたことで、本当に感動しました。できれば世界選手権でも同じようにできれば、と皆で話しました」とコメントした。
見事なカムバックに上海での期待がかかる。
今シーズンは最初から、これまでの彼女とは違った気迫が感じられた。
10月にGP初戦のスケートアメリカに出場したときには、すでにネベルホルン杯など4試合をこなした後だった。
スケートアメリカではエレナ・ラジオノワに次いで2位だったが、残りのシーズン、出場したすべての国際試合で優勝。ロシア選手権のタイトルこそラジオノワに譲ったものの、GPファイナル、欧州選手権という2つの大きなタイトルをみごとものにした。かつてはリンクの使い方が小さいのが目立ったが、今ではスケーティングの質も向上し、トップシニアに相応しい表現力と存在感を身につけている。
2カ月後の上海世界選手権で、トゥクタミシェワがどのような滑りを見せてくれるのか、大いに楽しみである。
初出場の2人、ラジオノワ銀、ポゴリラヤ銅。
16歳になりたての新ロシアチャンピオン、エレナ・ラジオノワはSPで1位に立ったが総合で2位となった。
初出場の大舞台ながらも、ノーミスの堂々とした演技で舞台度胸のよさを見せた。会見では「初出場のこの大会で良い演技を見せたいと願っていたので、ベストな滑りが出来てとても嬉しい」とコメントした。
同じく16歳のアンナ・ポゴリラヤが、やはり初出場ながらSP、フリーとも3位を保って銅メダルを手にしている。
コルピの棄権と不在だった有力選手たちの近況など。
怪我から復帰したばかりのフィンランドのキーラ・コルピはSPで4位だったが、発熱などで体調を崩し、フリーを棄権。4位にはスウェーデン出身のヨシ・ヘルゲソン、5位にヴィクトリア・ヘルゲソンと姉妹が健闘し、地元の観客を喜ばせた。
昨年のチャンピオン、ユリア・リプニツカヤはロシア選手権で9位に終わり、本大会に派遣されなかった。
また過去に5回タイトルを取ったカロリナ・コストナーは、元恋人の競歩選手、アレックス・シュバーツァーのドーピング検査回避の幇助をしたとして、今年の1月イタリア五輪委員会より1年4カ月の出場停止が科された。元々今シーズンは競技生活の休養を宣言していたコストナーだが、今年で28歳になる彼女は再び氷の上に戻ってくることができるのだろうか。この処分を不当として懸念する関係者の声も多い。