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ベンゲルがついにアーセナルを去る!?
自ら招いた「内輪もめ」に終止符を。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byTomoki Momozono

posted2014/12/16 10:40

ベンゲルがついにアーセナルを去る!?自ら招いた「内輪もめ」に終止符を。<Number Web> photograph by Tomoki Momozono

CLのグループリーグは2位で決勝トーナメント進出を決めたが、プレミア優勝は絶望的。ベンゲルの心中やいかに。

ジルー、エジルと故障が相次いだ不幸。

 早々に優勝戦線から後退した背景には不運もある。

 1トップとして昨季合計22得点を記録したオリビエ・ジルーは、第2節エバートン戦(2-2)で足を痛め、いきなり3カ月間の戦線離脱を余儀なくされた。更には、7ゴール14アシストの昨季を超えるパフォーマンスを見込まれたエジルが全くの不振。ベンゲルは、昨季後半に失速したドイツ代表プレーメイカーに対し、優勝したW杯後に長めの休養期間を与えてまでいたのだが、リーグ戦では6試合で1ゴール1アシストに留まった挙げ句、膝を痛めて年内絶望となってしまった。

最大の問題は、積年の課題「守備」。

 しかしながら、ベンゲルにとって最も辛いのは、ファンの期待を裏切ることになった直接の原因が「不運」ではない点だ。ジルーの欠場とエジル不調による影響は、リーグ戦14試合出場で9ゴール3アシストを記録したサンチェスの活躍によって、ある程度は緩和されていた。看板の攻撃に関して言えば、アーセナルは第15節までの10試合で一度はリードを奪うほどに機能している。ところが、うち4試合で計9ポイントを落とす結果となっているのだ。

 アーセナルが勝ち損ねた4試合とは、レスター戦(1-1)、マンC戦(2-2)、ハル戦(2-2)、そしてスウォンジー(1-2)戦。マンCはともかく、他の格下3チームを相手にリードを守れていれば、第15節終了時には勝ち点30ポイントで2位マンCと3ポイント差の3位に付け、今頃は優勝候補の一角に数えられていたはずなのだ。

 つまり、早々に優勝の望みが薄れた原因は、弱点と言われて久しい守備にある。だからこそ、アーセナルをプレミア随一のパスサッカー集団に仕立て上げたベンゲルを崇拝してきたファンの中にも、問題点が改善されない状況に業を煮やす人々が現れた。即刻解雇までは望まないが、来季以降の続投は望まない者が増え、彼らの苛立ちはもっともだと言わざるを得ない事態に至った。

 ベンゲルを信じ続けるファンと見切りをつけたファンが敗戦後に衝突したストーク戦での3失点は、まるで拙守の見本のようだった。キックオフ19秒後に許した先制点では右サイドから、35分に奪われた追加点でも右サイドから、いとも簡単にクロスを放り込まれてネットを揺らされた。ハーフタイム目前には、CKの落下地点にアーセナル選手5名が吸い寄せられた上、誰一人としてボールを競ることなく3失点目を献上している。

【次ページ】 過去数シーズン、守備に目立った向上はない。

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