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ハミルトンとロズベルグの小さな差。
6年ぶり戴冠の決め手は「タイヤ」?
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2014/11/30 10:40
チャンピオンを決め、歓喜の表情のハミルトン。2013年にマクラーレンから移籍した際はその選択に賛否両論だったが、見事2シーズン目での戴冠となった。
6年もの間隔を空けて戴冠、という偉業。
それは、今季のタイトルを決めたアブダビGPでも同じだった。
「スタートを切ったあと、どういうアプローチでレースを進めていくかいろいろ考えた。予選はパーフェクトとはいかなかったけど、レースは本当にうまくいった」
今季のハミルトンのレース力を支えたのは、彼の人間としての成長だった。初タイトルから6年間、ハミルトンはさまざまな経験を積んだ。父親との確執、マネージャーの交代、チーム移籍――ドライバーとしてだけでなく、精神的にもたくましくなったことが、ハミルトンの“レース力”を高めたのではないか。
6年もの間隔を空けてのタイトル獲得は、近年では'84年に7年ぶりの王座に就いたニキ・ラウダ以来の復活劇だ。アイルトン・セナもアラン・プロストもミハエル・シューマッハも成し遂げられなかった偉業である。だからこそ、ハミルトンはこう言って2度目の王座を喜んだ。
「僕の人生で最高の一日だ」と。