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今週も重賞未勝利馬が勝つのか?
牝馬黄金時代のエリザベス女王杯。
posted2014/11/15 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
女王の座を射止めるのは勢いのある3歳馬か、歴戦の古馬か。今週もまた、重賞未勝利馬が激走するのか。昨年の女王の復活はあるのか――などなど、11月16日の第39回エリザベス女王杯(3歳以上牝馬、京都芝外回り2200m、GI)は、見どころたっぷりのレースになりそうだ。
飛び抜けた馬のいない混戦模様だが、1番人気になるのは、前走の秋華賞で「負けて強し」という印象の2着となったオークス馬ヌーヴォレコルト(3歳、父ハーツクライ、美浦・斎藤誠厩舎)だろう。
ヌーヴォレコルト、ハープスターを退けたオークスの再現なるか。
オークスでは、あのハープスターの追撃を退け優勝。秋初戦、阪神芝外回り1800mで行なわれたローズステークスは格の違いを見せつける完勝だった。東京や阪神、京都の外回りなど、直線の長いコースでは、持ち味の息の長い末脚が生きてくる。それに対し、秋華賞は、「力で勝って、競馬で負けてしまいました」という斎藤調教師の言葉どおり、直線の短い京都芝内回り2000mで、ライバルのショウナンパンドラに上手く立ち回られたぶんだけ差し届かなかった。
外回りコースのここなら、道中はじっくり構え、勝負どころからじわっと進出して、直線でぐーんと伸びるという、自分のリズムで競馬ができる。
追い切りの動きも力強く、好調を維持している。
当初、陣営は、2週後のジャパンカップ参戦を見据え、秋華賞のあと短期放牧に出す予定だったが、すぐに疲れがとれたのでここに向かってきた。斎藤調教師がオークスの勝因として挙げたのは、「とにかく丈夫で、ハードな調教に耐えてくれたこと」だった。タフさが売りのこの馬にとって、予定の前倒しはさしてマイナスにはならない。それどころか、主戦の岩田康誠が「最高の出来」と言っていた秋華賞の状態を保っているうちに走れることは、むしろプラスかもしれない。
牝馬らしからぬ安定感があるし、ほぼ確実に好勝負になるのではないか。