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今週も重賞未勝利馬が勝つのか?
牝馬黄金時代のエリザベス女王杯。 

text by

島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2014/11/15 08:00

今週も重賞未勝利馬が勝つのか?牝馬黄金時代のエリザベス女王杯。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

昨年のエリザベス女王杯2着馬のラキシス。この秋初戦のオールカマーではプラス体重で2着に入るなど、調整は順調のようだ。

GI3勝の昨年の覇者はいかに?

 フタをあけてみればあっさりだった、という結果を導き出してもおかしくない馬がもう一頭いる。

 昨年の覇者メイショウマンボ(4歳、父スズカマンボ、栗東・飯田祐史厩舎)である。

 昨年のこのレースでGI3勝目を挙げ、今年の1月、JRA賞授賞式で松本好雄オーナーが「キズナが行くなら、こちらも」と凱旋門賞参戦をほのめかしたときは、キズナを脅かす存在になるのではないか、と思われたほどのパフォーマンスを発揮していた馬だ。

 ところが、年明け初戦の大阪杯では7着に惨敗し、ヴィクトリアマイルこそ2着と意地を見せたが、宝塚記念11着、京都大賞典10着といいレースができずにいる。惨敗した3戦はすべて牡馬と一緒に走ったレースだ。2年前の新馬戦や、昨年のこぶし賞では、牡馬を楽に負かしていたのに、どうしたのだろう。

 繊細なところがあるだけに、ひょっとしたら、大人になった今、以前より牡馬を意識して、一緒にいると力を出し切れなくなってしまったのかもしれない。

 女同士のここなら話は別だ。2週前、1週前とつづけて武幸四郎が追い切りに騎乗し、闘争心をかき立てた。

 強い女王の復活は充分あり得る。

調教師として史上初の牝馬GI完全制覇なるか。

 サングレアル(3歳、父ゼンノロブロイ、栗東)が勝てば、管理する松田博資調教師は、調教師として史上初の牝馬GI完全制覇となる。

 ホエールキャプチャ(6歳、父クロフネ、美浦・田中清隆厩舎)とスマートレイアー(4歳、父ディープインパクト、栗東・大久保龍志厩舎)の芦毛2頭は、ともに距離を不安視されているが、状態はよさそうだ。2、3着に突っ込んでくることは考えられる。

 ここで結論。

◎ラキシス
○ヌーヴォレコルト
▲メイショウマンボ
△ショウナンパンドラ
×スマートレイアー

 翌々週のジャパンカップに出るハープスターとジェンティルドンナという史上最強クラスの女傑に伍する評価を得るには、ここを勝たなければならない。

 ウオッカとダイワスカーレットが築き、ブエナビスタが跡を継ぎ、そして現在の勢力に至った「牝馬黄金時代」の戦いを、心ゆくまで楽しみたい。

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ラキシス
ヌーヴォレコルト
メイショウマンボ
ショウナンパンドラ
スマートレイアー

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