セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
セリエA残留争いの中心はこの2人。
サッスオーロのイタリア代表コンビ。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2014/10/30 10:40
今夏にはミラノでユーベとサッスオーロの首脳陣が会談。ザザ(右)とベラルディの2選手がユーベに移籍という話もあったが、いずれも残留した。
ザザを超える“暴れっぷり”のベラルディ。
そしてグラウンドでの暴れっぷりでいえば、20歳になったばかりのベラルディの方が、より激しい。
まだ10代だった昨季、ベラルディは29試合で16ゴールを挙げた。驚くべき得点率だが、頭に血が上りやすい彼が欠場した9試合は、出場停止処分によるものだった。
さらにはU-19代表への招集を拒み、激怒した協会から9カ月間の代表追放処分を受けたこともある。
今季も早々にやらかした。
2節インテル戦でDFフアン・ヘススに肘打ちを見舞い、一発退場。7失点大敗の要因となったばかりか、続く3試合に出場停止となり、サッスオーロはゴールから見離された。
高い期待をかけられる逸材ながら、子供じみた無鉄砲さが抜け切らない。それでも出場停止が解けた6節ラツィオ戦で、いきなりドッピエッタ(2得点)を決めるのだから、ベラルディの才能に疑いはないのだ。
今年1月、本田圭佑がセリエAデビューを果たした試合での“ポーカー(1試合4得点)”も記憶に新しい。追放処分を解き、U-21代表に招集した監督ディビアジョの男気に応え、ベラルディは9月の欧州選手権予選セルビア戦で初ゴールを決めた。
2人を操縦するのは、熱血指揮官。
未完の大器2人を抱える熱血派指揮官ディフランチェスコはしかし、大敗したインテル戦の後、若さから来る尊大さを叱り飛ばした。
「代表に呼ばれたぐらいで、天狗になるな!」
ディフランチェスコは、'00-'01年にスクデットを獲ったローマの一員だった。トッティやバティストゥータ、モンテッラら一流ストライカーたちの心構えを知る彼自身、イタリア代表経験も12試合ある。
ただローマ時代を除けば、キャリアの大半を小さなクラブで過ごした。指導者転向後も地方クラブでのチャンスを逃さず、ステップアップを果たしてきた。