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12年ぶり新潟開催のスプリンターズS。
混戦の短距離路線、カギは脚質か。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2014/10/04 08:00
昨年のスプリンターズSと今春の高松宮記念でともに2着と惜しいレースが続いているハクサンムーン。
高松宮記念を制した春の王者は?
史上5頭目となる「同一年の高松宮記念・スプリンターズステークス制覇」を狙うコパノリチャード(牡4歳、父ダイワメジャー、栗東・宮徹厩舎)は、筋肉痛の影響で前哨戦を使うことができなかった。今回は約5カ月ぶりの実戦となるが、ひどい道悪だった高松宮記念で楽に2番手につけ、2着を3馬身突き放した強さは無視できない。順調さを欠いたマイナスぶんを、新潟内回り向きの脚質がカバーして、さらにお釣りもありそうだ。
先行脚質という点では、抑え切れないほどの勢いで行こうとするベルカント(牝3歳、父サクラバクシンオー、栗東・角田晃一厩舎)も浮上してくる。春、フィリーズレビューを勝ってからは、桜花賞10着、CBC賞5着、北九州記念6着と勝ち鞍に見放されているが、負けた3戦の着差はそれぞれ0.9秒、0.4秒、0.3 秒と、着順ほど大きくは負けていない。また、凱旋門賞ほどではないが、3歳牝馬の斤量面でのアドバンテージは大きく、古馬の牡馬の57kgに対し53kgで出走できる。
牝馬の有力馬が他にも続々と……。
ほかにも牝馬の有力馬が何頭かいる。
その筆頭は、2月のシルクロードステークスで重賞初制覇を果たし、1番人気に支持された高松宮記念では不良馬場に泣かされ3着に敗れたストレイトガール(牝5歳、父フジキセキ、栗東・藤原英昭厩舎)だ。
'12年の2歳女王ローブティサージュ(牝4歳、父ウォーエンブレム、栗東・須貝尚介厩舎)は、前走のキーンランドカップで久々の勝利を挙げ、復活を印象づけた。スプリント戦になると滅法強いし、行こうと思えば行ける脚質もここでは武器になる。
CBC賞を勝ったトーホウアマポーラ(牝5歳、父フジキセキ、栗東・高橋亮厩舎)は、左回りの中京で実績があるのが心強い。また、昨年10月から1着、2着、1着、10着、1着、8着と来ているので、順番からするとここは勝つ番だ。好調を維持することが難しいタイプなのか、連勝することはできないが、勝つときは鮮やかという馬は案外多い。