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福西崇史が語る、本田圭佑の好調。
「まだベストであるとは感じない」
posted2014/10/02 16:30
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph by
Sports Graphic Number
メルマガ「福西崇史の『考えるサッカー』」、
最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします!
<目次>
【1】《2大エースの今》本田圭佑(1)
~ 長距離ランに見るプレーの幅 ~
【2】《2大エースの今》本田圭佑(2)
~ ゴールに向かう意識 ~
【3】《2大エースの今》香川真司(1)
~ 輪の「中」にいるということ ~
【4】《2大エースの今》香川真司(2)
~ チームの一員として ~
【5】《井戸端後記》雑談と反省と次号予告を兼ねた編集後記
~ お世話になりました! ~
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【1】《2大エースの今》本田圭佑(1)
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~ 長距離ランに見るプレーの幅 ~
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―――さて福西さん、まずは今シーズンの本田圭佑について話したいなと。
福西:本田については、とにかく開幕戦でゴールを奪ったことが大きかったね。
―――ホントですね。プレシーズンのコンディションがいまいちと聞いていたので、ちょっと驚きました。
福西:うん。それ以降もゴールに絡んでいるし、結果という意味では昨シーズンとは全く違うから注目されるのも当然のこと。ただ、コンディションがめちゃくちゃいいかと言われたら、ベストであるとは感じない。ブラジルW杯の時と比較したら「かなり良くなった」と言えるけど、今の状態が本田のベストじゃない。徐々に上がってきているという印象はあるけどね。
―――となると、好調の要因は本人のコンディションというより、チーム状態を含めたところにあるんですかね。
福西:もちろん、本人のコンディションの良さにもあるよ。昨シーズンと比較して明らかに走れるようになっている。単純な運動量が増えたというのは目に見えて分かる。
―――はい。長距離のランニングが増えた気がします。
福西:しかも、ある程度のスピードを感じるよね。本田はいろんなトレーニングを工夫してやっていたみたいだから、その成果が出ているんじゃないかな。
かなり意識的に中に入ってプレーしている。
―――なるほど。しかし不思議なのは、昨シーズンは4-2-3-1の「3」の右、今シーズンは4-3-3の3トップの「右」と、システムの違いこそあれ同じ右サイドでこうも違うのかと。だって、昨シーズンはパスを受けることさえままならなかったというか。
福西:そうね。アッレグリやセードルフが率いた昨シーズンと、今シーズンのインザーギのサッカーの違いは具体的には分からないけど、本田のプレーだけを比べると、かなり意識的に中に入ってプレーしていることが分かる。おそらく、今シーズンは「サイド」という意識をそれほど強く持たなくてもオーケーという感じなんじゃないかな。
―――なるほど。
福西:とはいえ、それができるのも開幕戦でゴールを決めたからだと思う。あの一発で、本田が自分の役割というか、プレーの幅を広げた。だから、昨シーズンと比較してパスが集まるようになったと感じるんだろうな。
―――メンバー的には、バロテッリとカカが移籍したことによって、自分が中心になれる状況になりましたよね。それから、開幕戦からセンターFWを務めていた新加入のメネズの存在が大きいんじゃないかと。
福西:メネズ、かなりいいね。最前線で動いてくれるからスペースが生まれやすいし、テクニシャンだからボールをキープしてタメを作れる。もともとリベリーみたいにサイドから仕掛けるアタッカーだけど、あそこのポジションであれほど機能するとは思わなかった。
―――同感です。インザーギ、やりますね。
福西:うん。そういう部分も含めて、本田にとってすごくいい環境が整っていると思う。
この続きは、メルマガNumber「福西崇史の『考えるサッカー』」でぜひお読みください。