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日本球界の「中6日」は長すぎる!?
久保、マエケンらが語る登板間隔論。 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byGetty Images

posted2014/09/09 12:30

日本球界の「中6日」は長すぎる!?久保、マエケンらが語る登板間隔論。<Number Web> photograph by Getty Images

ダルビッシュ有の「中4日は短い」という提言は、若手投手の故障が問題となっているメジャーに衝撃を与えた。

米球界でも、実は中4日を1年間続ける投手は半分以下。

 実際「中4日、5人ローテーション」の米球界も、すべての人間が中4日を1年間続けているわけではない。メジャーリーグ専門誌『Slugger』(日本スポーツ企画出版社)の8月発売号によれば、「'09~'13年までで、中4日で登板した投手はメジャーリーグ全体の半分に満たない」というデータを発表している。

 日本人投手をみても、ローテーションを担うヤンキースの黒田博樹は、今季28試合中、中4日で登板したのは13試合。マリナーズの岩隈久志も24試合中の15試合だ。もちろん、雨天中止やチーム事情などでのズレなどもあるが、コンディションなどを見ながら柔軟な対応がなされているのだ。

前田健太「中6日が続くのはあまり好きじゃない」

 すでに中5日の登板間隔で投げている、広島の前田にも聞いてみた。

「僕は中6日でも中5日でもどちらでも対応はできますが、中6日が続くのはあまり好きじゃないですね。間隔が空きすぎて長く感じますし、中5日が染み付いているというのもあるかもしれません。

 6人ベストな先発ピッチャーがいれば一番いいと思うけど、なかなかそんなチームはないですよね。自分としては、中5日で優先的に投げさせてくれるのはありがたいと思いますし、責任も感じます。ただ、中5日で回る限りは勝たないといけない。ほかの投手にしておけば良かったと言われますからね。

 あとは、個人によっても違うと思います。登板間隔が短い方がいいという人もいれば、逆に長い方がいいという人もいる。そこは、個々の身体の強さとかも関係してくるとは思います。僕自身は、球数を考えながらにはなりますけど、やれないことはないと思います。他の人がやる場合は、(登板間隔は)慣れの部分もあると思うんで、そこは時間がいるかなと思います」

 前田の言葉から気になったのは、「慣れ」と「個人によって違う」という言葉である。

 やはり中5日を導入するとしても、一律に変更するということではなく、個人の力量、年齢、身体の強さを考慮する必要がある。勝利の確率が高いエース級で、若く体力があり、故障を抱えていない投手にのみ、資格があるともいえる。

【次ページ】 日米で違う一軍登録数と投手の「枠」。

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