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日本球界の「中6日」は長すぎる!?
久保、マエケンらが語る登板間隔論。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byGetty Images
posted2014/09/09 12:30
ダルビッシュ有の「中4日は短い」という提言は、若手投手の故障が問題となっているメジャーに衝撃を与えた。
ハーラートップタイの久保が語る中5日論。
雄弁に持論を展開してくれたのは、今季FAで阪神からDeNAに移籍、ハーラートップタイの11勝(数字はすべて9月8日現在)を挙げている久保康友である。
「中5日で1年間を回ったことがないから、(中5日が)やりやすいかどうかは分からない。そこは戦術になってくるんじゃないですか。もしやるとなれば全員がやることになると思いますけど、それで故障者が出なければ中5日という戦術は合っているということになるし、逆に、故障者が出るようなら合ってないということになる。
中4、中5、中6日とそれぞれ経験していますけど、個人的には、どれがいいというのはその時々によります。中4日がいいときもあれば、中6日できつい時もある。でも、それは1回きりだから、そう思うのかもしれないしね。
要するに、量を取るか質を取るかになってくるんじゃないでしょうか。中6日で完ぺきなパフォーマンスを発揮できるとして、中5日にして100の力が80になってしまうんじゃ意味がない。
例えばエース対決になった時に、こっちが中5日で向こうは中6日で、向こうの方のパフォーマンスがいいのなら、お互いに中6日でぶつかった方がいい。パフォーマンスが落ちない、選手が潰れないということがクリアーされるなら、中4日でも、極端な話中3日でもいいわけです。結局は、パフォーマンスの問題。あと勤続疲労ですね」
パフォーマンスや故障の問題などは、必ずクリアにされる必要がある。実際、ダルビッシュの発言も、故障に端を発したフシがある。
根本トレーナー「中5日にはいろんな制限が付いてくる」
しかし実際、体力的に日本人選手は中5日に耐えうるのだろうか。選手のコンディショニングを日々観察する広島・根本淳平アスレチックトレーナーはこう話してくれた。
「1年間シーズンを通して中5日というのはきついかもしれないけど、可能ではあると思います。マエケンなんかは、中6日も多いですが、中5日で回ることも多いですから。慣れの部分もあります。
もちろん、中5日をやる限りはいろんな制限が付いてきます。球数であるとか、疲労がたまってきたときに、柔軟に対応をするとかですね。そういうのがクリアーできれば、(中5日は)可能であると思います。勝つことを優先して回すというのであれば、2人か、3人まででしょうね」