野球善哉BACK NUMBER
初日は3チームすべてが完投で勝利。
「絶対エースvs.複数投手」の行方。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byKyodo News
posted2014/08/14 10:50
初回に4点、5回を終えた時点で8点という大量リードをもらい、3安打完封を見せた敦賀気比の平沼翔太。16得点、21安打はともに福井県勢の記録を更新するものだった。
敦賀気比の捕手が懸念する、エース平沼依存。
2試合目は冒頭でも書いたように、敦賀気比はエースが完投で勝利した。
序盤から猛攻を仕掛けて、8イニングで16点を挙げた。しかし、それでも敦賀気比ベンチは、先発の平沼をマウンドから降ろさなかった。
試合後、敦賀気比の捕手・岡田耕太は、こう危惧していた。
「優勝を考えれば、平沼一人ではきついっすよ。ほかの投手の力が必要です。だから、こういう点差がある時に使った方がいいんですよね。特に、今日は開幕日でお客さんもいっぱい入っているんで、この中で投げることによって、自信もつきますから。この先に、平沼に疲れがでてきてから、突然2番手、3番手の投手を使うのは難しいと思います」
第3試合も富山商のエース・森田駿哉が完投した。
しかし、富山商の指揮官・前崎秀和はエースに頼り切るつもりはないと断言する。
「大会の序盤ですし、試合展開もあって今日は森田で行きました。でも、日程が詰まってくれば、投手陣全員でと考えています。県大会もそうしてきましたから。投手起用については、今後の戦いで考えたいと思う」
初日はかくして3投手が先発完投し、勝利を収めた。
これから登場する学校は、どんな投手起用を見せてくれるのか。
果たして今大会、流れはどちらに傾くのだろうか。