スカウトにも評判が高い九州の球児たち。

　茨城大会2回戦で敗退した下館工の谷中もよかった。今春の日立北戦では10連続を含む15奪三振を記録、さらに今夏1回戦の江戸川学園取手戦では15奪三振とノーヒットノーランを達成、茨城のドクターKとして喝采を浴びた。

　腕が異様に長く見えるところやヘッドアップ気味に腕を振ってくるところなどはオリックスの中継ぎエース、佐藤達也にそっくり。この日のストレートの最速が142kmと速いところも佐藤に似ていて、敗退しながらも観客に与えたインパクトは相手校・藤代以上と言ってもいいだろう。

　ここまでは序盤戦で、地方大会はまだ始まったばかりだ。筆者はこれから速球派が揃う熊本大会や福岡大会に足を運び、これまで関東で見た本格派との比較をしようと思っている。スカウト間でもチームの勝敗とは別に九州の球児の評価は高く、担当外でも一度は見ておきたいと九州に足を運ぶスカウトもいるほど。底辺が広い高校野球だが、関東と九州の有力球児を見ることができたら、より見通しがよくなるかもしれない。