nakata.net cafe サンパウロ奮戦記BACK NUMBER
中田英寿運営のカフェで働く意義は?
サンパウロの日本人スタッフの大志。
posted2014/06/20 11:15
text by
川上康介Kosuke Kawakami
photograph by
Kosuke Kawakami
しかし地球の裏側の地で、和食や日本酒を提供するには、想像以上の困難があるようだ。今回、「nakata.net Cafe」に参集した「中田ジャパン」のメンバーへの取材。第2回は、「nakata.net Cafe」で働くために、日本からスタッフとして“派遣”された2人の若者にインタビュー。ブラジルでの日々について聞いた。
「サンパウロの『nakata.net Cafe』で働いてみませんか?」
今年の4月、人材派遣会社の日研総業と中田英寿が取り組んでいる「Revalue Nippon Project」のコラボ企画として、「nakata.net Cafe」の期間限定のスタッフを募集したところ、実に1500人を超える応募があった。そのなかから、厳正な書類審査、面接を経て選ばれたのが、宮野友輝さん(30歳)と安孫子広さん(25歳)の2人だ。
「高校を卒業後、リオデジャネイロのサッカーチームに入って、プロを目指していました。残念ながら1年で日本に帰ることになったんですが、『ブラジルW杯のときは、何でもいいから関わる仕事をしたい』とずっと思っていました。中田さんは、子供の頃からの憧れの存在。インターネットで募集告知を見て、すぐに応募しました」(宮野さん)
「大学、大学院とポルトガル語を専攻していました。大学院を卒業して、これから何をしようか考えていた時期に募集のことを知ったので、参加してみたいと思いました」(安孫子さん)
カルチャー・ギャップから始まったカフェの開店準備。
宮野さんは、6月2日にサンパウロ入り。カフェがオープンする10日前から通訳やコーディネイター、設営の準備まで、さまざまな仕事を担当した。
「立ち上げの作業は、本当に大変でした。届くはずの荷物が届かなかったり、現地のカフェとの調整がうまくいかなかったり。『本当にオープンできるのかな?』と思うこともありました。ブラジル人って、目の前のことにしか動いてくれないんです。日本側のスタッフがどれだけ準備をしても、直前になってコロコロ話が変わったりする。それでもギリギリになると、ちゃんとやってくれるし、なんとかなるんですが、仕事の進め方が日本とあまりにも違うので、戸惑うことも多かったです」(宮野さん)