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世界中の注目が集まるオークス。
“絶対的1強”ハープスターは輝くか。
posted2014/05/24 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
先々週のNHKマイルカップ、先週のヴィクトリアマイルと、東京芝コースを舞台とするGIは2週連続逃げ切りで決着した。
それでも今週のオークスは、「世代最強」の呼び声高い「スーパー女子」が、後方から一気に差し切ってしまうのだろうか。
その「スーパー女子」とは、桜花賞で最後方から大外を回り、17頭をごぼう抜きにしたハープスター(父ディープインパクト、栗東・松田博資厩舎)である。
デビュー2戦目の新潟2歳ステークスで、のちに皐月賞馬となるイスラボニータを3馬身突き放した。つづく阪神ジュベナイルフィリーズこそスムーズなレースができず2着に敗れたが、今年に入ってチューリップ賞と桜花賞をとてつもなく強い競馬で連勝。
ダービー参戦を取りやめた理由とは。
一時期話題になったダービー参戦をとりやめたのは、同馬主(キャロットファーム)のトゥザワールドと勝ち分けることを狙ったためか。それとも、最大目標は1次登録を済ませた凱旋門賞だから、今は無理せず確実に獲れそうなタイトルに狙いを定めた、といったところか。
阪神競馬場のコースが改修され、桜花賞が直線の長い外回りコースで行われるようになったのは2007年からだった。以降、桜花賞馬のオークスでの成績は、不出走-3-1-1-4-1-4と安定している。阪神芝外回り1600mで強い馬は、東京芝2400mでも強いのだ。両方勝った3頭は、ブエナビスタ、アパパネ、ジェンティルドンナ。ハープスターはこれら3頭の名牝の域に達しているのか――と、レースぶりを振り返ってみると、達する達しないというレベルではなく、超えていると言ってよさそうだ。
桜花賞のときの当コラムとまったく同じ結論になるが、よほどひどい騎乗ミスかアクシデントでもない限り、負けないだろう。