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内村航平に次ぐ“オールラウンダー”。
野々村笙吾、初の体操世界選手権へ。
posted2014/05/25 10:30
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
今春から、体操の主要大会が相次いで行なわれている。今年10月、中国・南寧で開催される世界選手権の選考を兼ねた大会だ。
4大会が指定された男子は、そのうち2つが終わり残るは2つとなったが、悲願の初代表を目の前にしている大学生がいる。「将来の日本の主軸」と言われてきた逸材だ。
まず、今年の世界選手権の代表選考基準を見てみたい。
1.個人総合で争われるワールドカップ東京大会で個人総合優勝した場合、世界選手権代表に内定
2.1で内定選手が出た場合は2名、出なかった場合は3名を、全日本選手権の予選と決勝の得点を合計し、その半分とNHK杯の得点を足した上での成績で選考
3.全日本種目別選手権で日本体操協会が種目ごとに設定した得点である「派遣標準得点」を超え、かつ、種目別決勝最上位者から選考。この3の規定で該当者が3名いれば代表決定。いなければ、3に該当する選手以外はチーム貢献度を考慮して選考
内村がすでに内定、加藤、野々村がアドバンテージ。
ワールドカップは4月に行なわれた大会だが、優勝した内村が1の規定ですでに内定を決めている。
5月9~11日には全日本選手権が開催された。優勝したのは内村航平。そして昨年の世界選手権個人総合銀メダルの加藤凌平を3位に抑えて2位となったのが順天堂大学3年生の野々村笙吾(しょうご)である。野々村は、昨年も大学の同級生でありチームメイトである加藤と全日本選手権、NHK杯を通して熾烈な争いを展開。わずか0.275という僅差で惜しくも3位となっている選手だ。
2位の野々村、3位の加藤は、6月7・8日のNHK杯へ向けて、アドバンテージを握ったことになる。とりわけ、野々村にとっては、届かなかった世界選手権代表入りが目前に見えてきたことになる。