サハラマラソン挑戦記BACK NUMBER

留学も就活もなげうって……。
目指せ、地獄のサハラマラソン!! 

text by

松山貴史

松山貴史Takashi Matsuyama

PROFILE

photograph byTakashi Matsuyama/Sports Graphic Number

posted2011/01/21 06:00

留学も就活もなげうって……。目指せ、地獄のサハラマラソン!!<Number Web> photograph by Takashi Matsuyama/Sports Graphic Number

『Number Do』でサハラマラソン特集を組んで下さい!

 サハラマラソンの日本窓口からいただいたビデオを見ると、「選手が皆履いている謎の靴下は何なのか」、「実際砂漠では何が必要なのか」、「どういった練習が効果的なのか」、等々、不明な点が多々あります。そういった不明点を解消するため、日本窓口に完走者の紹介などをお願いしたのですが、個人情報にうるさい時代なので、にべもなく断られてしまいました。

 ここからが本題なのですが、『Number Do』のコンテンツの一つにサハラマラソン特集を組んでもらえませんか? そしてその中で、完走者の紹介や練習方法の指導を行って欲しいです。

 このままでは完走が非常に危ういと思われます。

 本当にどうしていいのか分からないので、苦肉の策として、今回メールさせていただきました。取材協力でも、実験台でも、完走後のサハラ砂漠の写真提供でもなんでも応じるので、どうか協力お願いします。

 日本の枠内に入ったので、私はいわば、日本代表です。

 世界的に見ると、サハラマラソンは大変人気で、イギリスやフランスではエントリーが数年待ちの状態らしいです。(各国定員が決められている)

 日本では認知されていないだけで、日本人もきっかけさえ与えれば、出場希望者がたくさん出るはずです。(ちなみに姉妹レースのエジプトである「サハラレース」に2010年、梅宮アンナが出ました)

 ですので、それなりにインパクトがあり反響の大きなコンテンツになると思います。

 突然のメールで失礼しました。お返事待っています。

東京外国語大学外国語学部ドイツ語学科
和敬塾 南寮 3年
松山 貴史

――以上でメールの文面は終わり――

 松山くんの望み通り「サハラマラソン」の特集を『Number Do』で組むことはできない。あまりにマニアックに過ぎる。だが、面識もない大学生からの、唐突な、しかし、なぜかその内容にひきつけられるメール……その必死さ、そして「大学生」と「サハラマラソン」という組み合わせの突拍子のなさは、面白い。「やるスポーツ」を取り上げる『Number Do』としては、彼の無謀なチャレンジを応援したくなった。

 そして4月3日スタートの「サハラマラソン」に向けた松山くんの練習や準備を含め、挑戦記を書いてもらうことにした。砂漠を走るという冒険のような「ランニング」の魅力、実情を伝えていきたいが、なにぶん何も知らない大学生、このチャレンジを温かく見守っていただければと思う。

 第1回は松山くんに、出場の経緯と自己紹介を書いてもらうことになった。次のページから……松山君の筆による記事がついに始まります!!

【次ページ】 「地球上で最も過酷なアドベンチャーマラソン」って?

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