MLB東奔西走BACK NUMBER
イチローの調子は「背中」でわかる!?
打撃フォームに久々に戻った“丸み”。
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph byGetty Images
posted2014/04/20 10:50
スタメンではないものの、4月16日時点で11試合に出場し、23打数10安打、打率.435と好調を維持するイチロー選手。守備でもフェンス際の難しい打球に飛びつくなど、好プレーを見せている。
ヤンキースの田中将大投手のメジャー初先発をチェックするため、4日のブルージェイズ戦を観戦している時のことだった。
“おぉぉぉ~ッ、元に戻っている!”
思わず心の中で叫びながら目を見開いてしまった。
田中の投球に対してではない。今シーズン初めて目撃するイチロー選手の第1打席を見て、驚きを隠せなかったのだ。
イチローといえば、これまでも毎年のように打撃フォームを変化させているのは有名な話だ。今年のフォームに変化があっても特別に驚くことではない。
だが、あくまで個人的な見方ではあるのだが、ここ最近はイチローの打撃フォームの“ある1点”を意識するようになった。
比べてわかる、イチローの姿勢の違い。
それはイチローがバットを構えた際の背中の状態だ。
どうしてそんな場所に注目するようになったのか、その経緯は後述するとして、まずは論より証拠。ここに3枚の写真を用意した。
2004年シーズン | 2013年シーズン | 2014年シーズン |
いずれも打席に立ったイチローの打撃フォームだ。
1つはシーズン安打のメジャー最多安打記録を塗り替えた2004年のもの。もう1つは2013年のもの、そして、今シーズンのものになる。
2004年はボクサーのファイティングポーズのように背中が丸くなっているのに対し、2013年はややおしりが突き出て、逆に背中が反り返っているような状態だ。
そして今年のイチローは(写真は打撃に入りかかってはいるものの)2004年ほど極端ではないが、背中の丸みが戻っているのだ。
実は改めてチェックしてみると、メジャー1年目の2001年の姿勢に酷似しているのがわかる。