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女子ゴルフ開幕戦、鍵はドライバー。
飛距離、悪天候、そして第2打に!?
text by
月橋文美Ayami Tsukihashi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2014/03/13 12:35
ツアー通算2勝目を、開幕戦のダイキンオーキッドレディスで飾ったO.サタヤ。今年は森田、横峯、宮里ら強豪がひしめく上位陣に食い込むか。
森田を驚かせる、40歳表純子のドライバー。
60台のスコアをマークしたのは、森田、笠、横峯の他、6選手。
注目すべきはそのうち、前日もっとも下位の102位から49位まで順位を上げ予選を通過した表純子である。岡本綾子門下生で森田の姉弟子、昨年6月のヨネックスレディスで8年ぶりとなる優勝を果たしたベテラン。昨シーズンは新ボール(=テーラーメイド社製「LETHAL」)との好相性でドライバー飛距離を15ヤードアップさせたが、今季は新ドライバー(=同社製)のロフトアップ効果で、40歳にしてさらにその数字を伸ばしている。
「純子さん(のドライバーショット)が飛んでるんですよ。私、一緒に回ってて何度もおいて行かれちゃうんです、今」
と森田が語るほど。今季も若手選手たちに一泡吹かせる活躍が期待できそうだ。
優勝はタイのサタヤ。愛称は“ムーちゃん”。
かくして最終日。前半で順調にスコアを伸ばし単独首位に立った森田が、11番で手痛いセカンドショットOBを演じ、失速。2打差の6位からスタートしたO.サタヤが6バーディー、1ボギーのベストスコアをマーク、通算8アンダーとして逆転で今季初勝利一番乗りを果たした。
サタヤは日本ツアー参戦5年目。知人の縁で愛知県犬山市内の瑞泉寺を拠点に戦うタイ人で、愛称は自国語で子豚を意味するという“ムーちゃん”。「お寺は落ち着ける場所です。でもまだ家の前のお墓が恐いけど(笑)。沖縄のコースはタイのゴルフ場と似てる」と、昨年5月の初Vに次ぐ通算2勝目に目を細めた。次の目標は日本のメジャー大会制覇だという。
森田も、2打差で迎えた最終18番パー5では、第2打地点からドライバーでグリーンを狙う気迫のプレーを見せ、大いに沸かせて2位タイフィニッシュ。「2月のフロリダ合宿で、何発か練習してた。ティーショット以外でドライバーを使ったのは初めて。ライもよかったし、もう(追いつくには)イーグルを取るしかなかったから」と森田。打球はわずかにグリーンに届かず、結局パーに終わったが「大事な場面で打ったら、先につながるかなと思った」と言い切り、女王の気概を見せた。