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シンクロ代表に井村雅代氏が復帰!
試合当日に「最高」を実現する技術。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2014/03/02 08:15

シンクロ代表に井村雅代氏が復帰!試合当日に「最高」を実現する技術。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

北京五輪で中国チームを率いて銅メダルを獲得し、世界を驚かせた井村雅代氏。協会との確執は解消されたのだろうか。

先行きが見えないからこその、井村氏の再登板。

 中国が大躍進を果たす一方で、井村氏のいなくなった日本は低迷の一途をたどった。

 もちろん多くのコーチが指導にあたってきた。ロンドン五輪へ向けて、ロシアから振付け師を呼ぶなどもした。どのような方向へ進めばよいのかを含め、試行錯誤を続けてきたが、その結果は世界選手権では3大会連続、ロンドン五輪でもメダルなし。かつての地位を失うことになった。

 実は北京五輪でいったん中国のコーチを退任したあと、井村氏は、日本の指導をいつでも手伝う用意があると語っていた。北京五輪で、デュエットこそ銅メダルを獲得したものの、チームで5位となるなど日本の低迷の兆しを感じていたからだ。

 だが、井村氏が登用されることはなかった。

 そこには、中国のコーチに就任したとき「他国の指導をするなんて」という批判があったのが象徴するように、一度海外へ出た指導者を、快く思わない人々がいたことが影響していたという。

 そうした経緯があっての今回である。先行きが見えないからこその、井村氏の再登板なのである。

 世界のトップに位置するロシアをはじめ、中国やスペイン、さらにはウクライナなどの台頭もあり、2016年のリオデジャネイロ五輪へ向けて、決して時間に余裕があるわけではない今日。

 かつて日本で、そして中国でも独自の武器を作り上げて戦った井村氏は、そうした世界の情勢の中で、どのようなスタイルをもって、挑もうとするのか。

 2年後へ向けての、日本シンクロナイズドスイミングの再スタートである。

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