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平和で高価なオリンピックパーク。
巻き寿司、手袋、そして大道芸? 

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byYoshie Noguchi

posted2014/02/13 12:45

平和で高価なオリンピックパーク。巻き寿司、手袋、そして大道芸?<Number Web> photograph by Yoshie Noguchi

聖火をバックにした五輪マーク前は、人気の撮影スポット。気候も温暖で、警備も万全。なんとも過ごしやすいパークと言えるだろう。

 日本にも待望のメダルがもたらされ、応援熱も高まってきたソチ五輪。選手の活躍を支えるのはスタッフだけではなく、観客の声援も大きなパワーになる。そこで今回は、現地にいるような臨場感を持って応援するため、また実際にソチに来る方のため、オリンピックパーク情報を紹介する。

 まず気になる治安だが、オリンピックパーク内はいたって平和そのもの。ロシア政府はテロ警戒のために、警察官とロシア内務省の兵士3万人以上を山と沿岸のパーク内に配備。しかもボランティアスタッフと同じウエアを着て、私服警官ならぬボランティア風警官になっている。仕事をサボっているボランティアスタッフが多くいるように見えるが、実際は警官と兵士による巡回なのだ。そのためスリの情報すら無いほど、治安は良好だ。

 またテロ警戒としては、5500台を超える監視カメラ、飛行物を迎撃する近距離対空防御システムを配備しているほか、無人小型飛行機が24時間オリンピックパークの上空を回遊している。内務省では「世界一安全なオリンピック」を強調し続けている。

食事の値段は高騰。巻き寿司やスイスグルメが人気。

 旅行の楽しみといえばグルメ。沿岸部のオリンピックパーク内には、巨大なフードコートが1つと、数軒のレストラン、屋外のファーストフード屋台などがある。どれも1品200~300ルーブル(650~1000円)と高く、強気の観光地価格だ。

 フードコートでの一番人気は「ロール」という巻き寿司。日本でいうカッパ巻きが1本約700円。巻き寿司を堪能していたロシアの美女2人は、「美容を気にする人はみんな和食を食べます。寿司は太らないし、お肌も綺麗になります」と話す。その他、焼きそば、野菜炒めなどアジア料理もあれば、ロシアのラビオリ、ピザ、クレープ、フライドチキンなどがある。

 屋外屋台での一番人気はクレープ。200~300ルーブルで、注文した後に可愛いメイド服のお姉さんが1枚ずつ焼いてくれる。出来上がりを待つのも楽しく、長い行列が出来ているが飽きない。一番人気は「チョコとヨーグルト」、日本にないメニューとしては「キャビア」がある。またスイス五輪委員会が設置している「スイスハウス」の食事も人気だ。白ソーセージやポテトのチーズ焼きなど、スイス山岳地方の本格的なグルメが味わえる。

 どの店も、軽食で1食合計1500~2000円と高いが、五輪という興奮もあってか売れ行きは好調。ただしキヨスク的な売店は無いので、日本から応援にくる方々は軽食やお菓子を持参した方が良いだろう。

【次ページ】 聖火をバックにした五輪マーク前が人気撮影スポット。

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