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平和で高価なオリンピックパーク。
巻き寿司、手袋、そして大道芸? 

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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photograph byYoshie Noguchi

posted2014/02/13 12:45

平和で高価なオリンピックパーク。巻き寿司、手袋、そして大道芸?<Number Web> photograph by Yoshie Noguchi

聖火をバックにした五輪マーク前は、人気の撮影スポット。気候も温暖で、警備も万全。なんとも過ごしやすいパークと言えるだろう。

聖火をバックにした五輪マーク前が人気撮影スポット。

 沿岸部のオリンピックパークの目玉は、パーク中央で燃えさかる聖火だ。パークのどこで記念写真を撮影しても、聖火が背景に映るという設計になっている。特に人気の撮影スポットは五輪のシンボルマークのオブジェ前。パークの入り口の反対側にあり、電車のオリンピックパーク駅からパークの入り口まで徒歩15分、さらにシンボルマークまでは徒歩10分といった距離だが、諦めずに撮影に行くことをおすすめしたい。

 お土産の一番人気は、五輪公式ウエアを提供しているアパレル「ボスコ」の手袋。5本指が五輪の「青、黄、黒、緑、赤」の5色になっており可愛らしい。500ルーブル(約1600円)と無理の無い価格帯だ。元々人気のアパレルメーカーだけあって、パーカーやズボン、バッグなども多彩に揃えており、価格は10000円以上のものが多い。パーク内の「ボスコ」公式ショップは入店に1~2時間待ちという状況だが、電車で2駅のアドラー駅やソチ空港内の「ボスコ」は空いているので、ぜひ利用したい。

コンサートや大道芸で、一日中お祭りムード一色。

 また五輪公式グッズは、ホッキョクグマ、ユキヒョウ、野ウサギの3つのキャラクターで、こちらは、文房具やキーホルダー、ぬいぐるみなど、お土産向きのグッズが揃う。200ルーブル程度からあり、値段も手頃だ。白クマと白ウサギの帽子が大人気で、老若男女を問わずパーク内にはクマやウサギを頭から被った観戦客が溢れている。

 チケットの販売ブースは常に行列。カーリングやアイスホッケー、ショートトラック、スピードスケートや山の競技はまだ余りがある。それぞれ日本円で2万~7万円程度と高価だが、多くの観客が複数のチケットを購入して、昼と夜、ダブルヘッダーで観戦するという。

 パーク内ではコンサートや大道芸が一日中行われており、朝から晩までお祭りムード一色。食事も土産もチケットも、ロシアの消費者物価の5~10倍はする状況だが、誰もが面白いくらいに大量に食べ、大量にグッズを買い、満面の笑みで五輪を楽しんでいる。せっかくの4年に1度の祭典だ。コストパフォーマンスなどと現実的なことは忘れて、純粋に楽しむのがロシア人流なのだろう。会場に訪れた誰もが何か1つ幸せを持って帰ることが、五輪というイベントの最大のゴールだということを、観客の笑顔が語っているようだった。

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