フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
米国とロシアのジャッジが裏取引?
五輪の度に湧くフィギュア界の疑惑。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byShinya Mano/JMPA
posted2014/02/13 12:05
“皇帝”プルシェンコの復活、15歳のリプニツカヤの大活躍と、話題豊富にして実力の裏づけもしっかりあったロシア団体の金メダルだったが……。
「本当に注目するべきは選手の演技」
2002年五輪アイスダンスチャンピオンで、このペア審判疑惑のとばっちりを受けたグエンデル・ペイゼラは、今回のレキップ紙の報道に関しての感想をこう語ってくれた。
「団体戦のアイスダンスを見る限り、採点は公正だったと思う。プルシェンコとリプニツカヤは点が高いと感じたが、それでもロシアの優勝に疑問はない」
五輪のたびにこうしたジャッジの噂が流れる理由は、単なる内部関係者の法螺話をメディアが本気で受け止めるためだと彼は説明する。
「フィギュアスケート関係者には、実際にはそんなに影響力がないのに、自分にはあると思いたい人が大勢いる。でも本当に注目するべきは、選手とその演技の内容のはず。
リプニツカヤやプルシェンコが転んでいたら、ロシアの団体優勝はなかった。デイビス&ホワイトだって、個別戦でもあの滑りを見せたら優勝すると思う。だが転倒したら金メダルはないでしょう」
ジャッジの裏側で何が行われていようとも、大切なのは氷の上の勝負。選手がやるべきことをやらなければ、結果は出せない。元五輪チャンピオンは、誇らしげにそう言い切った。