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15歳の新星は練習の鬼で小心者?
宮原知子、ソチを胸に大一番に挑む。
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAFLO SPORT
posted2013/12/14 08:01
村上佳菜子、今井遥よりも一世代下、15歳の宮原知子はまさに新世代の旗手。
小心者なのか、大物なのか。その不思議さが魅力。
そして11月、2戦目のロシア杯では宮原の強靱さが発揮された。
「日本人の方の応援があって、緊張なくできて良かった」
ショートは回転不足なし、フリーも「3回転ルッツ+3回転トウループ」と「ダブルアクセル+3回転トウループ」をクリーンに成功させた。ミスもあったが、全体的にスピードもあり十分にシニアで戦える内容だった。
「3-3を成功できたし、今季の課題でもある回転不足は、完全に失敗したジャンプ以外には無かったので良かった。夏に習ったことを取り入れて練習している成果だと思います」
終わってみれば、村上と今井遥が本調子でなかったこともあり、日本女子の中でトップの5位。五輪代表争いにおいて好印象を与えた結果だった。
「日本女子の中で何位というのは考えて無いけれど、5位は嬉しいです。全日本はあまり順位を考えず、自分の出来ることをしっかりやるだけ。最後まで勢いよく滑りたいです」
宮原としては最大限に勝ち気なセリフが口から出たが、「でも」とこう続けた。
「注目を集めるのはちょっと苦手で、記者会見とかは恥ずかしいです。演技の時も、自分を見てという風には思ってなくて、自分の満足いく演技をしたいです。でも拍手は嬉しいです」
小心者なのか、大物なのか、その混沌とした不思議さが宮原の魅力でもある。そして何より、自分の弱さを認めて克服しようという意志の強さが、最大の武器になるだろう。