Number PLUS SpecialBACK NUMBER
<欧州蹴球名鑑を愉しむ> 名波浩 「監督大シャッフルの時代を占う」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTadashi Shirasawa
posted2013/09/10 06:02
強豪の指揮官が大きく替わった今季、覇権の行方は――。
ペップ・バイエルンの連覇はなるか。バルサは復活するか。
現役時代から名鑑を愛読する元日本代表の名波氏が、
名鑑を使った欧州サッカーの愉しみ方を語ってくれた。
10日に発売されたNumber PLUS「欧州蹴球名鑑2013-2014」より、
名波浩氏の“選手名鑑ガイド”を公開します!
ペップ・バイエルンの連覇はなるか。バルサは復活するか。
現役時代から名鑑を愛読する元日本代表の名波氏が、
名鑑を使った欧州サッカーの愉しみ方を語ってくれた。
10日に発売されたNumber PLUS「欧州蹴球名鑑2013-2014」より、
名波浩氏の“選手名鑑ガイド”を公開します!
僕にとって「選手名鑑」は欠かせないものだ。いつから読み始めていたのか、ふと、思い起こしてみた。記憶の片隅にあるのは中学2年のとき。'86年メキシコW杯の名鑑を読みこみ、イタリア代表FWのアルトベッリが僕と同じ誕生日だったことで親近感を持った覚えがある。僕の“注目株”になったアルトベッリは本大会で4得点を挙げる活躍ぶりで、今でもその光景が目に浮かぶ。それ以降、誕生日のチェックから始まってデータを読み込むのが好きになった。Jリーガーになっても名鑑は、試合で移動する際の手放せないアイテムだった。
データにはいろいろな発見がある。分かりやすく知ってもらうために最近のプロ野球を引き合いに出すと、例えば日本ハムの中田翔。どこか勝負弱い印象があったのに、実際は得点圏打率がそこそこ良かったりする。「へえ、そうなんだ」と違うイメージを持つことができて、これはサッカーでも同じことが言える。データは選手の特徴を端的に伝えてくれるし、選手個人の姿形が見えてきたり、全選手を一堂に見ることで、チームの形をおぼろげに想像できたりもする。