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“絶対エース”の時代の終焉?
変わりつつある高校野球。
~複数投手で戦うことの優位性~
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byAFLO
posted2013/09/06 06:00
前橋育英は高橋光成と喜多川省吾、2年生の投手2人で県大会から勝ち抜き栄冠を掴んだ。
前橋育英の優勝で幕を閉じた甲子園。マイ・ベストゲームは準々決勝の第3試合、前橋育英対常総学院だ。
2点リードで迎えた9回裏、常総学院は絶対エース・飯田晴海が足の不調を訴え投球不能になり、リリーフに送ったのは甲子園初登板の2年生・金子雄太。
金子は先頭から2人を凡打に打ち取り、残り1アウトを取れば4強進出というところまでこぎ着けるが、内野手のエラーをきっかけに同点に追いつかれ、延長10回にサヨナラ負けを喫している。
たった1球の行方で明から暗に移り変わる高校野球の怖さ、面白さをあまりにも鮮明に映し出した試合を観て、ゲーム終了後、私はしばらく記者席の背もたれに体を預け、茫然としていた。