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<私とラン> 土井善晴 「ゴールした瞬間の幸福感には雑味がないんです」 

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photograph byAsami Enomoto

posted2010/11/18 06:00

<私とラン> 土井善晴 「ゴールした瞬間の幸福感には雑味がないんです」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

ジムと外で走るのとでは「情報量が全然違う」。

 普段の練習は精神的余裕があるときが多いですね。それと逆に疲れてるとき。疲れてるときに走らへんかったら、体調が悪くなったり、色んなものが上手くいかないですから。頭のなかで整理できていなかったことが、走ると整理されることもあるしね。嫌なことや気になることが一番最初に頭に浮かぶ。それが走ってるうちにある程度消化されるし、仕事の方向づけみたいなのもまとまったりするんです。

 音楽も聴きませんね。やっぱり他の音を聞きたいと思うから。休日におじいちゃんとおばあちゃんが歩いてる横をすっと通ると「あんた今日なんでせえへんかったんか」みたいな会話が聞こえてきたりして。その人たちの一瞬のことに出会うわけですよね。それが面白い。出張先でホテルのジムにも行くことはあるけど、外を走るのとは情報量が全然違う。毎回1時間がどんだけ長いんか、って思ってしまう。だから音楽なんかなくていいんです。

地元の人の素顔に出会える地方のマラソン大会。

 人とのつながりでいうと、地方のマラソン大会も、仕事で行ってるのとは違って、やっぱり地元の人の素顔に出会える。お互いに構えてない。それがすごくいいんですよ。公園とか、色んなところで人との関わりがありますからね。そうすると名所や旧跡に行かなくても、地元の、その土地の感覚みたいなものが伝わる。そういうちょっとしたことにえらい感激しますよね。普段予測もしなかった出会いがありますから。だから講演会なんかに行ったら1時間くらいジョギングすることもあります。それによって土地との距離感をぐっと縮めることができる。これは車なんかでぐるっと回ったとかじゃ分からない。私にとっては今はもう、色んな意味で大事な時間になってますね。

              ◇    ◇    ◇

◆土井善晴さんへのQ&A
    53歳、大阪府出身。著書に『ごちそうのかたち』(テレビ朝日コンテンツビジネスセンター)など。

Q1 走りはじめたきっかけは?
10年程前。運動不足で、体重が増え、自分の仕事も苦しくなってきたので。

Q2 どのくらいの頻度で走っていますか?
2~3回/週。仕事も不規則になりがちなので、走れるときに約12km。

Q3 走る日のタイムスケジュールは?
月に200kmを目安に、時間を問わず。練習で150km、レースなどを混ぜて、200kmを超える感じです。

Q4 お気に入りのコースは?
多摩川河川敷。もっと走るときは、自宅のある自由が丘から皇居まで行って2~3周走って帰る。

Q5 走るときに聴く音楽は?
人の話し声などを聞きたいと思うので聴きませんが、頭のなかでは、『ジャスト・スタンド・アップ』とかがずっと繰り返し流れてることも。

Q6 今までのベストタイムは?
03:34:00 初フルマラソンに挑戦した大阪・長居公園で。

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