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<私とラン> 東国原英夫 「練習は公務が終わってから、日没前に」 

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photograph byAtushi Hashimoto

posted2010/10/28 06:01

<私とラン> 東国原英夫 「練習は公務が終わってから、日没前に」<Number Web> photograph by Atushi Hashimoto
いま全国で多くの大人がランに目覚め、汗を流し始めています。
走る目的もスタイルも、それぞれに異なる大人たち。
「Number」が初めて一冊まるごと“Doスポーツ”を特集した「Number Do」では、連続インタビュー企画「私とラン」で、彼らの「走る」を覗いてみました。
Number Webでは、雑誌未収録部分も掲載した「私とラン」特別編を公開。
第1回は宮崎県知事・東国原英夫さんの「ランのカタチ」です。

 たけし軍団でさまざまなスポーツをやっていましたけれど、本格的にフルマラソンに参加したのは、『上岡龍太郎にはダマされないぞ!』というテレビ番組が最初です。その頃、上岡さんがマラソンに凝っていらして。「マラソンは非常に楽しいし、心地いい」とかおっしゃっていたんですよ。「ダマされないぞ!」というくらいですから、その上岡さんの持論を反証するために私が選ばれました。刺客としてゴールドコーストのフルマラソンに参加したんですが、結局それから15年も続けているってことは騙されたんでしょうね(笑)。

「走ることは私にとって思考を巡らせる時間でもあるんです」

 達成感や感動、ストレスの解消とか、走っていて良かったことはいろいろあります。

 もともと汗をかくことが好きなんですが、走るって自分の思った時間に気軽に一人でできますよね。辞めたいときは辞めればいいし、道具もそんなに必要ない。非常に手軽なのに、生きるためには何が必要かというのを教えてくれるんです。空気や水はもちろん、モチベーションだったり、根性だったり、諦める勇気や毎日の積み重なる努力だったり。それに風や空気を感じることで自分自身が存在することを再確認できる。

 だから僕は音楽なんかは聴かないですね。小鳥のさえずりだったり、風や人の生活音が僕の音楽。音楽って遮断するでしょ。自分のなかに入ってしまう。それよりはいろいろなことを感じて、考えながら走りたい。走ることは私にとって思考を巡らせる時間でもあるんですよ。今日10㎞走るんだったら、1時間このテーマについて考えようって思って走っています。だから退屈しないために音楽を聴くという発想もないし、そもそも走ってて退屈したことがないんですよ。

「『何、知事暇なの?』という風に見られるのもちょっと辛い(笑)」

 練習は公務が終わってから、日没前に走りこむことが多いです。朝も挑戦したことがあるけれど、あんまり向いてない。逆にあまり遅いと、足元が暗すぎるし、セキュリティの問題もあって、何かあった時に皆さんに迷惑をかけますから。できるだけ明るいうちに走りたいんですけど、「何、知事暇なの?」という風に見られるのもちょっと辛いなぁと(笑)。

 宮崎空港から県庁まで走って帰ることもありますね。大会前になるともっと走りこみますが、ベストタイムを更新するのはもう無理。サブスリーにも3回くらい挑戦しましたが、怪我に泣いて、全部失敗したんです。だから今は何歳まで走るか、というのが目標。そのためには、きちんと走れるだけの健康も維持していかなくてはいけませんね。

              ◇    ◇    ◇

◆東国原英夫さんへのQ&A
    53歳、宮崎県出身。著書に『人生で大切なことはすべてマラソンで学んだ!』(晋遊舎)など。

Q1 走りはじめたきっかけは?
38歳の時。TV番組「上岡龍太郎にはダマされないぞ!」でマラソン初挑戦。

Q2 どのくらいの頻度で走っていますか?
4~5回/週1回10~15kmを走ります。大会前はさらに増やします。

Q3 走る日のタイムスケジュールは?
1カ月に300km走ることを目標に、公務が終わり次第、日没前に1時間~1時間半走っています。

Q4 お気に入りのコースは?
大淀川河川敷と宮崎シーガイアのパークウェイ。時間があれば青島海岸ラインや日南海岸ライン。

Q5 走るときに聴く音楽は?
聴かないです。無の境地で走ります。強いて言うなら、風の音やノイズ、人の生活音が僕の音楽。走ってて退屈したこともないので。

Q6 今までのベストタイムは?
03:06:00 サブスリーにも挑戦しましたが、全部失敗。

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