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続『マネー・ボール』の主役は日本人!?
岩隈と松井秀がアスレチックスを救う。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2010/11/16 10:30
アスレチックスのGMにして副社長のビリー・ビーン(左)と監督のボブ・ゲレンがクラブハウスで談笑
先発の育成完了、あとは大砲の補強が急務。
GMのビリー・ビーンは、現有戦力に相当の自信を持っていると見ていい。
来季、ローテーションを任される投手たちは全員が20代なのだ。
投手 | 年齢 | 2010年成績 | 2010年防御率 |
---|---|---|---|
ケイヒル | 22 | 18勝8敗 | 2.97 |
アンダーソン | 22 | 7勝6敗 | 2.80 |
ゴンザレス | 25 | 15勝9敗 | 3.23 |
ブレイデン | 27 | 11勝14敗 | 3.50 |
かつての投手王国復活の予感さえする。もし、岩隈が契約に漕ぎつけたとしたら粒ぞろいの先発陣ということができる。
ただ、問題は打線。マリナーズと並ぶほどの「貧打線」で、2010年最も多く本塁打を放ったのはクーズマノフの16本止まり。FAでなんとか30本を狙える打者が欲しくなるのも当然である。
そうなると松井秀喜が浮上してくる。
実はほとんどのメジャー球団は、松井が加入してもチームの打線が大幅にアップグレードするとは考えていない。ところがアスレチックスなら、少なくとも20本塁打を見込める松井で十分アップグレードにつながるのだ。
他球団の動向(どうもヤンキースは現時点で、DH松井を選択肢に入れていないようだ)、そして年俸さえ折り合えば、アスレチックス・松井秀喜の誕生は現実性が高まってくる。
もし、岩隈、松井が加入することになったら、日本で突如、アスレチックス・ファンが増殖したりして……。