「あこがれの選手という言葉だけでは片づけられない」

　今回のテレビマッチでも感じられたのはまっすぐな尊敬の念だけだった。

「小学生の頃にタイガー・ウッズを見て僕らが育った。僕たちはそう言っても過言ではない世代。あこがれの選手という言葉だけでは片づけられない選手です。きょうは自分が小学生の頃に戻ったかのような気持ちでプレーを拝見させていただきました」

　ウッズのプライベートでの人間的な側面を見て見ぬふりをしているわけではないだろう。しかし、それを軽く凌駕してしまうほどゴルフにおける超人的な側面が石川には魅力的なのだ。それが幼心にすり込まれたものならばなおさらだろう。

　7日に閉幕したHSBCチャンピオンズからは、テレビマッチの時に見たばかりのウッズのスイングを参考にスイング改造に取り組み始めた。

「同じことを何百人に言われたとしても、彼の言ってることが一番強く頭に残ります。彼が言うからこそ説得力が増すと思うんです」

　スキャンダルがあろうとウッズはウッズ。石川にとっていつまでも特別に輝く存在である。