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<生活習慣を見直そう> 睡眠で太らない~自律神経とホルモンを整える!~
text by
梅森妙Tae Umemori
photograph byNanae Suzuki
posted2013/06/21 06:00
いくつもの要素が“眠って”いた。
好評発売中のNumber Do『太らない生活 2013~健康と軽い体を
手に入れよう~』では、「生活習慣の見直し」に着目してダイエットを考察。
今回は睡眠と体重の関係性について、特別に全文公開します!
仕事、飲み会、旅行。忙しい毎日で、つい夜更かししがちな現代人。日本ダイエット健康協会代表理事の古谷暢基さんにお話を伺うと、良質な睡眠は太らない体を手にするためにも重要だという。
「ポイントは自律神経とホルモンを、いかにコントロールするかなんです」
食べ過ぎたわけでもないのに太る。それは自律神経、つまり交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいっていないことに原因があるらしい。
「日中はエネルギー代謝を活性化する交感神経が優位になり、夕方以降は心身をリラックスさせる副交感神経が優位になります。メリハリのない生活で日中でも副交感神経優位だと、同じ食生活をしていてもエネルギー消費量が減少して、太りやすくなります」
休日にダラダラして動かずにいると、休んだはずなのに体が重いと感じる原因はここにあったのか。
「それからデスクワークは、中途半端に交感神経優位状態となり、筋肉が緊張する状態が長く続くため、メリハリの観点からは最悪です。アフリカの草原にいるインパラは、ライオンが来ると緊張して、耳をピンと立てて逃げられるように構えますよね? あれがわかりやすく交感神経優位に切り替わった瞬間(笑)。内臓への血流を抑え、骨格筋を緊張、全身の血管を収縮させて、一気に血を流して素早く動き出せる準備をしています」
副交感神経への移行と末端部からの体熱放散が良質な睡眠を導く。
良質な睡眠のポイントは、副交感神経へのスムーズな移行、そして末端部からの体熱放散による体温低下だという。
「赤ちゃんが眠る前に手が熱くなる、あの状態ですね。デスクワークは“インパラの警戒態勢”に近いのですが、その様な中途半端な緊張と血流が悪い状態が続くと、脳だけがヒートして副交感神経優位になりにくく、また末端部の温度が上がらないので体熱が放散されません。結果、睡眠導入の大きな妨げになります。こうならないためには警戒した後に走って逃げるインパラのように、身体を動かして血流を上げることです。アフターファイブの運動がベストですが、仕事合間のストレッチや、帰り道の早歩きなどでも効果は十分です」