日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
森本がエースとなる必須条件は、
本田ばりの「ボールを収める技術」。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2010/09/08 12:05
森本より本田の方がボールを収める技術は高いが……。
対パラグアイ、グアテマラの2戦で少し見えてきたのは、新しいチームが縦に速い攻撃を強く意識していたことだ。
これはザッケローニの意向をくんだうえで、原監督代行が反映させたものではないだろうか。W杯前までの岡田ジャパンが志向した細かくパスをつないでビルドアップするスタイルは薄れ、シンプルに縦にボールを出す場面が多かった。
このスタイルを活かすためには、フォワードの選手には縦のロングパスを収める仕事が不可欠になってくる。しかし、この点で森本の働きは十分とは言えなかった。
グアテマラ戦の前半17分に岩政大樹からのロングパスをうまく収められずに相手にボールを取られ、奪い返そうとしてファウルになったシーンがあった。こういうミスは何度かあり、トップ下に入った本田圭佑がうまくボールを収めていたのとは対照的だった。
相手が強いチームになってくれば、チャンスになる数も減る。南アW杯での戦いがいい例だろう。センターフォワードがボールを失うようでは、チャンスも活きない。
“ストライカー”として森本が2得点を奪ったことは何よりだが、“フォワード”としては「ボールを収める技術」を高めていくことも必要になってくる。
森本がザックジャパンのエースとなるためにはまだまだ越えなければならない壁がある。